残業に苦しむ同僚に、手を差し伸べるべきなのか? ネット民は大反対「判断するのは上司」「中途半端な優しさはお互いを傷付けるだけ」
企業の残業時間を60時間に制限する上限規制の原案をまとめるなど、政府は長時間労働の抑制に動いている。しかし職場は、感情を持つ人間がチームで働くところ。「自分だけ先にあがりにくい」雰囲気の中で帰宅することに、抵抗感を抱く人もいる。
2月7日、はてな匿名ダイアリーに「残業とお手伝い」と題する投稿があった。投稿者は18時に退社できるが、同じ職場の別案件が「軽く燃え上がりつつ」あり、担当者は毎日20~22時頃まで働いている。そこで投稿者はその仕事を手伝うべきか迷い、こんな気持ちを吐露している。
「手伝うべきだろうか。手伝えば自分も20時~22時帰りは免れない。手伝ったからといって仕事が半減するようなものではない。だが、間違いなく担当者の心労は減るだろう」
良心の呵責に苛まれ「みんなはどうしているのか」
長時間労働の慣習をなくすためには、自分の仕事が終われば、ためらいなく退社することが重要だ。他人の仕事を手伝えば帰宅時間は遅くなり、トラブルに巻き込まれるリスクもある。
しかし投稿者は、近くで大変そうにしている同僚を放っておけず、18時に退社できる自分を申し訳なく思って葛藤しているのだ。
「世の中は労働時間削減の方向に進み、定時帰りが推奨されているが、みんなはこんなときどうしているのだろうか。良心の呵責(は言い過ぎだと思うが、適切な言葉が見つからない)に耐えられるのだろうか。こんなことばかり考えているから、俺はすぐ残業漬けに後戻りしてしまうのだろうか」
しかし、この投稿を見たネット民の多くは、この同情を無用なものだと考えているようだ。はてなブックマークには、周りに応援を頼むかどうかは上司が決めること、という意見が目につく。
「中途半端な優しさはお互いを傷付けるだけ。向こうから要請される、もしくは上司から指示が入るまでは現場レベルでやらないほうがいいよ」
「マネージャーが考えるべき事。自分が手を貸すのではなく、彼の案件が炎上してて人員が必要だと思うから手を打つべきと上司に進言してみたら?」
「こういうのが個人判断で個人の責任になるなら、上司っていてもいなくても同じなんだよなぁ」
「たまにコーヒーやお菓子置いて帰るだけでいいよ」
現場レベルの判断で他のグループから勝手に人を融通するのは、確かに良くない場合もある。炎上しつつある問題をマネージャーが認識できず、きちんと手を打てない。うまく乗り切ってしまうと、次回からも「現場の工夫で乗り切れ」と言われかねない。
なにしろ「つきあい残業」をする人が続出すれば、長時間労働はいつまでも続くだろう。このため仕事の手を貸すのではなく、「心労」を減らすための協力にとどめるよう提案する人もいた。
「気を使うなら、たまにコーヒーやお菓子置いて帰るだけでいいよ。パフォーマンスやテンションだけ支えとけばよし」
協力を要請されるときに備え、定時退社で「十分な休息をとり英気を養う」ことを勧める人もいた。いくら良心がとがめても、部署や会社が「共倒れ、全滅よりはマシ」というのだ。
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