新入社員の「理想の残業時間」が上司よりも3.4時間長いという謎 「そもそも理想の残業なんかない」という声も
長時間労働が問題視されているが、今年入社した新入社員たちは残業についてどう思っているのだろうか。それを示す興味深い調査結果がある。
明治安田生命が3月末に発表した「就職活動、働き方・お金に関する意識についてのアンケート調査」では、理想の残業時間について上司と比較したデータを紹介。その結果、新入社員の1か月の「理想の残業時間」が上司よりも3時間以上長い、ということが明らかになった。
新入社員の平均値は17.9時間に対して、上司の平均値は14.5時間
調査は新入社員1109人と上司735人に対して行い、「社会に出ることへの期待と不安」や「働き方のタイプ」などの項目について聞いたものだ。
このうち「理想の残業時間」で新入社員の回答を見ると、1か月あたりの理想の残業時間は、0~10時間(36.6%)が最多。11~20時間(33.3%)、21~40時間(23.3%)が続き、平均値は17.9時間だった。
対して上司の理想の残業時間は、0~10時間(48.8%)が最多。平均値は14.5時間となり、新入社員の理想の残業時間と比べると3.4時間短い。
上司の1か月あたりの実際の残業時間は、0~10時間が34.6%と最多だったが、41時間を超える人も2割ほど存在しており、平均値は24.7時間だった。上司の理想の残業時間が新入社員を下回る理由について、調査を行った明治安田生命は、
「こうした現実をふまえた”希望”が強く反映されているのかもしれません」
と分析した。
そもそも「理想はゼロ!」
これを受けて女性用コミュニティサイト「ガールズちゃんねる」では4月11日、調査結果に対するスレッドが立ち、残業ありきの労働環境への不満が寄せられていた。
「サビ残の会社で、一人だけ毎日定時で帰っていたら、社長に嫌われてコールセンターに飛ばされたので、辞めたわ」
「残業しません、との約束でうちの会社に入ったすごく優秀な人が、社長に『なぜ残業しない!』ってめちゃくちゃ怒鳴られてた。 理不尽すぎ……」
いまや残業するのが当たり前という風潮だ。本来であれば残業はないのが普通で、仕事が定時で終わらない状態が常態化しているのはおかしい。そのため、「理想はゼロ!!」などの投稿が相次いでいる。
明治安田生命の調査の項目では「理想の残業時間」となっているが、そもそも残業に理想の時間などなく、
「残業の定義が間違ってる 理想の残業なんかないよ 当たり前のことがズレてるよ」
という憤りをあらわにする人もいた。
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