高収入・高学歴、女性医師の結婚と離婚事情 「仕事で稼げというなら、家事育児をもう少し分担してほしい」
人材サービスのエムステージは5月25日、「女医白書~女性医師の結婚と離婚~」を発表した。その結果、女性医師の場合、医師同士での結婚が過半数であるほか、結婚の決め手は「価値観が合う」「仕事への理解がある」であることがわかった。
出会いのきっかけは「大学時代の同級生、先輩、後輩」
調査は、同社のウェブマガジン「joy.netパートナー」に登録する結婚経験あり(離婚経験者含む)の女性医師を対象に実施。今年2月13日~3月23日に行い、109人から回答を得た。
結婚した年齢は、「25~29歳」(34.9%)が最多。「30~34歳」(27.5%)が続き、約6割が34歳までに結婚している。結婚した時期は「後期研修中」「後期研修後5年未満」(共に22.9%)が多い。理由には、「適齢期だったから」(48.6%)、「交際期間を考えるとそろそろだと思ったから」(36.7%)が多い。結婚した理由には「人生、生活の価値観が合うと感じたから」(64.2%)、「自分の仕事に理解があると感じたから」(55.0%)が上位だった。
出会いのきっかけで多いのは、「大学時代の同級生、先輩、後輩」(25.7%)、「職場の同僚、上司、後輩」(23.9%)だった。
相手の職業を聞くと、「医師」(既婚者:55.2%、離婚経験者:53.8%)が半数を超える。「他科・開業医」は、既婚者では35.4%に対し、離婚経験者では7.7%と差がある。一方で「同科・勤務医」は既婚者では10.4%に対し、離婚経験者では46.2%となっている。違う科に勤務する医師との結婚の方が、結婚生活が持続するようだ。
夫の家事・育児への協力は必要不可欠
結婚後の働き方を聞くと、「職場を辞め、仕事をしないor抑えた生活に変えた」(既婚者:5.2%、離婚経験者:15.4%)と差が見られる。また「辞めなかった」(既婚者:66.7%、離婚経験者:53.8%)という回答であることから、仕事を辞めたり、仕事量を抑えたりと、パートナーに合わせた生活を選んだ人に離婚者が多い。
夫は家事・育児に協力的かを聞くと、「協力的」との回答は全体では84.4%。結婚相手が医師以外では90.0%に対し、結婚相手が同じ医師になると79.9%にまで下がる
不満については、「仕事で稼げというなら、家事育児をもう少し分担してほしい」(35歳、神経内科)、「仕事が忙しくて現実的に家事をするのが無理。(中略)仕事をセーブしているのは自分ばかりで夫は結婚前と変わりないペースで仕事をしているのが不満」(44歳、麻酔科)などが寄せられている。
結婚生活に足りないもの、足りなかったものを聞くと、全体では「自分の仕事に集中できること、仕事のパフォーマンスが上がること」(31.2%)、「家事や育児の分担ができること」(25.7%)が多い。離婚経験者と既婚者の差が開くのは、「家事や育児の分担ができること」(既婚者:20.8%、離婚経験者:61.5%)」、「困ったときに助けてもらえること、頼れること」(既婚者:5.2%、離婚経験者:38.5%)」だった。
既婚者でも約4割が「離婚したいと思ったことがある」と回答している。「家族、家庭への協力、理解が足りないと感じたから」(62.5%)という理由が圧倒的に多く、女医の結婚生活の継続には、夫の家事・育児への協力が不可欠なことがわかる。