「恋愛経験がないとヤバい奴扱い」にもの申す 「恋愛しない自由」だって尊重されていいはずだ
恋はいい。良質な恋愛は、日々を大いに彩ってくれる。
しかしぶっちゃけ、恋をしないからといって特別困ることもない。結局恋愛なんて、あると嬉しい人生の副産物でしかない。なくたって幸せな人は大勢いるし、恋愛してても不幸な人だっている。(文:松本ミゾレ)
恋愛より楽しく夢中になれることがあるのに、無理に恋愛する必要ってある?
先日、「おーぷん2ちゃんねる」にて「恋愛経験がないとまるでヤバい奴みたいに扱われる風潮」なるスレッドが立っていた。スレ主は周囲に交際人数がゼロと明かすと、「うわっ……まじかよ……」と場の空気が凍るのを感じるそうだ。
恋愛経験がないくらいでドン引きされ、果ては人格まで疑われるこの現状に、スレ主は「なんでここまで恋愛至上主義みたいになってしまったんや」と嘆く。同じように恋愛に縁の無い生活を送る人からは、
「交際とか彼女とかキスとか無縁すぎて『本当にそんなこと起きてるんやろか』って思い始めてきた」
「今は寂しくて彼女欲しいって思ってるけどそのうち感情がなくなって無気力人間になりそう」
と、なんとも切ない心情が吐露されていた。
それにしても、恋愛経験がないのは、おかしいことなのか。ここで「おかしいよ」と言える人は、そこそこコミュ力もあって、他人に不快感を与えないルックスで、恋愛にも前向きなタイプなんだろう。そういった人は、恋愛しようと意気込まなくてもチャンスが巡ってくる。だから彼らの尺度で見れば、恋愛をしない、できない人たちは不思議に、もっと言えば哀れに思えてしまうのかもしれない。
だけど誰もが恋愛するに足るエネルギーを持っているわけではないし、恋に前向きとも限らない。それより楽しいと思えることがあって、そっちを追及した方がいいと本人が思っているなら、無理に恋愛をする必要は一切ない。恋愛以外に自分の幸福を追求する方法はいくらでもある。
交際相手のいない未婚者、男性7割女性6割 恋愛至上主義はもはや形骸化
女子校・男子校育ちで異性とコミュニケーションする機会がなかったり、どうアプローチをしたらいいか分からないまま大人になる人も多い。異性と当たり前に親しくできる人に、この悩みは理解されないし、本人も改善できないまま、どんどん歳だけ重ねていく。そんな例が、日本では珍しくもなんともなくなっている。
厚生労働省が2015年に公表した「出生動向基本調査」を見てみると、成人しても異性の交際相手を持たない未婚者は、男性で7割、女性でも6割もいる。既にこの国は少子高齢化の波に押しやられ、恋愛至上主義どうこうなんていってられない状態が「普通のこと」になっているのだ。
僕は「恋愛をしない自由」だって尊重したいし、恋愛できない人が人間性まで劣っているとも思わない。恋愛至上主義だの、自由恋愛だのは、陽キャに有利なだけの、対等でもなんでもないデスマッチだ。他所は他所、うちはうち。ムキにならず、毅然としていればいい。
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