売り手市場で「ブラック就活生」が増加? 説明会を無断欠席、選考中も連絡せず辞退
就職活動が売り手市場になる中、企業が「ブラック就活生」に悩まされているという。11月27日に放送された「スーパーニュース」(フジテレビ系)では、説明会を無断で欠席したり、選考を連絡なしに辞退したりする就活生の存在を、約5分間のコーナーで取り上げた。
番組が取材した都内の就職支援企業の代表は、「ブラック企業ならぬブラック就活生が増えている」と嘆く。この会社が企画した企業説明会では、1週間前に54人の予約があったが、直前までに23人がキャンセルした。さらにそこから15人が無断欠席し、当日出席したのは16人しかおらず出席率は3割を切った。
学生は「むしろ何が被害なのか分からない」
主催企業としても、用事が重なってキャンセルが生じるのは仕方がないと考えている。しかし、キャンセルの手続きもなしで無断欠席されるのも困りものだ。準備した印刷物などがムダになるし、採用の機会損失にもなってしまう。
そうした企業側の事情とは裏腹に、就活生サイドはあまり深く考えていない様子。番組の取材に答えていた就活生はあっけらかんとこう話す。
「予約して当日になって気分が乗らなかったりすると、バックレることはあります」
「1日テンションが上がらず、なんか社会人と話したくない、みたいな」
「連絡した方がいいと思ったが、電話するのが手間」
無断欠席が企業側の損失につながることを説明しても、「むしろ何が被害なのか分からない。企業はいい機会だと思って説明会をやって欲しい」と、どこ吹く風だ。
それでも売り手市場ということもあってか、この男子学生はITなど2社から内定をもらったという。番組では「ブラック就活生」が、内定後にも企業から「逃げる」ことがあるとも紹介された。
企業説明会の無断欠席という世間一般的にはニッチな話題ではあるが、「ブラック就活生」というキャッチーなネーミングもあって、放送直後にはツイッターでも話題になり、就活生の身勝手さを批判する書き込みが殺到した。
「ブラック就活生、社会なめている。いつか絶対痛い目みる」
「社会人以前に人としておかしい」
「違法企業と並べるのはおかしい」という批判も
会社説明会を無断欠席する就活生は、「売り手市場」になる以前から一定数いるようだ。マイナビが昨年12月に行なったアンケート調査では、「就活中、企業に連絡をしないで説明会や面接に行かなかった」という回答が27%あった。
無断欠席をした理由も、自分勝手なものが多い。「急に体調が悪くなった」「他の企業の選考が突然入った」などなら仕方ないが、
「朝起きたら、急に面倒になってしまった」(女性・学校・教育関連内定)
「予約日を1週間勘違いし、気づいたら終わっていた」(女性・情報・IT内定)
「寝坊して起きた時には説明会が終わってた」(男性・不動産内定)
というものは擁護しようがない。とはいえ、説明会を無断欠席するのは一部の就活生。そのため、「ブラック就活生が増加している」などと報じることに対して反発する声もあった。
「一部の子らを取り上げて、それがあたかも大多数だっていうような取り上げ方だったから、なんかふつふつとムカついて来た…」
「こんなことニュースで言われると、これからの就活生のイメージが悪くなるじゃん。頑張っている就活生がいることも伝えて欲しい」
約束を守るのは大事なことだが、労働基準法に違反しているブラック企業と並べて「ブラック就活生と言うのはおかしい」という声もある。
ただし、「まだ学生だから」と甘えた行動を肯定していると、自分が入社して働き始めたときにしっぺ返しを食らうだろう。就活は社会人への第一歩と考えて、節度ある行動を心がけて損することはない。
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