たばこ臭い訪問業者へのクレームは「行き過ぎ」か? 「会社に言う」の一方で「その程度でクレームなんて世の中ギスギスする」
たばこを吸う人と吸わない人の違いの中で、最も大きいのは「ニオイ」に対する意識なのではないかと思う。吸わない人にとって、たばこのニオイというのは強烈で残り香までもが不快だが、普段から吸っている人にとっては非喫煙者の「不快指数」がどのぐらいなのか見当が付きにくい。
筆者は喫煙者を卒業して非喫煙者になった身だが、吸っていた当時はたばこを嫌う人たちの「たばこクサイクサイ!」の声に「ちょっと大げさに騒ぎ過ぎではないですか?」と感じていた。
しかし、自分が完全な非喫煙者になると、喫煙可のバーに行った帰りのニットに付いた他人のたばこのニオイに「ウエッ!」となる。買ったばかりのお気に入りのニットが台無しだ。かつて自分もこんなニオイを撒き散らしていたんだなァと反省するが、吸っていた頃はまさかここまで強いニオイだとは思わなかった、いや「思えなかった」のである。(文:みゆくらけん)
「玄関先で業者の人をバンザイさせて服にリセッシュをかけている」という人も
今ではすっかりたばこのニオイの強烈さはわかったつもりだが、しかしだからといって昨今の「喫煙者消えろ」の圧が強い風潮には共感できない。そんなにたばこが嫌なら灰皿が置いてある居酒屋やバーに行かなければいいとも思う。
そんな中、先日のガールズちゃんねるに、たばこのニオイをプンプンさせた訪問業者にクレームを入れるのはアリか?という投稿があった。「たばこ臭い業者の訪問」というトピックだが、トピ主は「現在来てくださっている業者さんがとてもたばこ臭い」と主張し、
「手間取っているようで、連絡待ちの間『車に戻ります』と言っては臭さ増し増しで戻ってこられます。我が家は未就学児が3人おり、喫煙者はおりません。皆さんはこんな場合どうされますか?(クレーム入れますか?)」
と問いかけている。今回、この投稿が気になったのは「この件がクレームを入れるに値することなのかどうか?」という点である。業者は何も訪問したトピ主の家で喫煙しているわけではない。だが、「車という密室で吸ってから登場」が繰り返されると、家の中にはどうしてもニオイが広がってしまう(充満とまではいかなくても)。
この投稿へは
「その場で吸ってるわけじゃなきゃクレームは難しい」
「お帰りになってから換気すればいい」
「その程度でクレームなんて世の中ギスギスするよね」
などというコメントが集まる一方で、「クレーム入れるべし」「会社に言うのが無難」という声も。中には、「玄関先で業者の人をバンザイさせて服にリセッシュをかけている」というツワモノも。
玄関リセッシュは別としても(それができるのはある意味凄いが)、クレームに対してはどうなのだろう。「ニオイ」へのクレームは難しいところで、それが体臭の場合ならどうなのだ?(体臭がキツイ人にも指摘するのか?という意味で)という意見もある。
業者の人の「息抜き」を奪ってしまうのもかわいそう
ただ、たばこに限っていえば、業者として客の家を訪ねる時のマナーの問題という部分で「少々遠慮もできたのでは?」というところか。
ちなみに、編集部のSさんは以前に自宅の壁修理で業者に来てもらったことがあるそうだが、「作業があった日は一日中部屋がヤニ臭くて嫌だった」と話している。「数十秒しか接しないような宅配業者にまで文句を言うのはやりすぎと思いますが、程度によるのでは?」とも。確かに作業時間が長いとたばこのニオイが染み付きやすくなりそうだ。勘弁してほしい。
とはいえ、業者の人の仕事の活力にもつながっているかもしれない「息抜き」を完全に奪ってしまうのも可哀想だ。結局は、吸う人と吸わない人がお互いの立場をどれだけ想いやれるか?が重要なのだと思う。