一次面接の担当者を就活生がセレクト、福岡の製薬会社が実施 「長く働いてもらうために、社員の人柄や理念に共感した学生を採用」
3月に入り、2019年度新卒入社の企業エントリーが開始した。化粧品や医薬品などの研究開発・販売を行う新日本製薬(本社:福岡県)は3月1日、学生が面接担当者を選べる「直感面接」の実施を発表した。
学生が同社社員14人の中から一次選考の面接担当者を選べるというものだ。同社の説明会に出席し、選考エントリーの際にウェブ上で面接担当者を一人選んで応募する。同面接は今年始めて実施され、広報担当者は、
「これまで一次選考は面接担当者が人事部のみでした。自分が興味のある部署で働く社員と語り合うような面接を実施することで、社員の人間性を好きになってもらったり会社の理念に共感してもらえたりできるのでは、と考えています」
と話す。
気になる部署の社員に話を聞くことで自分が働いていけるか判断
面接担当の14人は、同社の採用サイトに掲載されている。人事はもちろん、商品企画、データ分析、秘書、WEBマーケティング、販促企画、コールセンター、財務経理など携わっている人もおり、仕事内容や年齢はさまざまだ。
「最も若い面接担当者は、新卒3年目になる25歳の社員です。面接中に現場の声を聞くことで、学生に『本当にここで働いていけるか否か』を判断してもらえると思っています」(同担当者)
また同担当者は「面接で社員と語り合うことで、おぼろげな夢が明確化されたりするという人もいるのではないでしょうか。仮に内定辞退されても、学生に『受けてよかった』と思ってもらえる出会いになると思っています」と話していた。
今年で創業26年目の同社は、”100年繁栄する企業”を目指している。中途の活躍にも期待しているというが、
「特に新卒から入社しているメンバーに会社を引っ張っていってほしい。人柄や理念に共感した学生を採用することが、長きに渡って成長を担ってくれる人材を得ることにつながると考えました」
と語った。同社は1日に福岡ヤフオク!ドームで行われた合同説明会に参加し、学生に同採用のことを伝えた。「学生からの反応は例年よりよかった」と好感触の様子だ。ちなみに「直感採用」というネーミングについて同社はプレスリリースで、
「直感面接とは、学生が面接官を直感で選んでいただくものであり、面接官が直感で学生の皆さまを選ぶというものではありません。面接官を選ぶのは直感でなくても構いません」
と注釈を加えている。