男性の3割が「育休制度がない」と誤認 就業規則に記載がなくても申請可能、認知広がらず
DeNAトラベルは3月20日、「産休・育休」に関する調査の結果を実施した。調査は今年2~3月にインターネットで実施し、10~70代の男女596人から回答を得た。
仕事と育児、どちらを優先したいかを聞くと、男女ともに「どちらとも言えない」(男:38.3%、女性:35.6%)が最も多かった。
ただ男性は「仕事をしたい」「どちらかと言えば仕事を優先したい」(合計46.6%)が多く、女性は「育児を優先したい」「どちらかと言えば育児を優先したい」(合計45.9%)が多数派となった。
育休を取らない理由、2割の男性が「取得する理由がない」
出産時の男性の育休取得については男性の50.6%が「取得したい」、女性の51.4%が「取得して欲しい」と回答している。しかし男性は「どちらとも言えない」(43.9%)も多く、仕事と家庭の間で悩む姿も読み取れる。
また男性は「取得したくない」が5.5%だが、女性は「取得して欲しくない」が13.0%で、収入減少などを心配していることが伺える結果となった。
実際に育休を取得したという男性はわずか12.3%。取得しなかったという男性では、「仕事が忙しくて休めない」(39.9%)、「職場の代替要員がいない」(32.6%)、「育休制度がない」(32.1%)と”仕事”にまつわる理由が上位3位にランクインしている。
しかし「育休制度がない」という理由について、同社は「誤った認識」と指摘する。
「たとえ会社の就業規則に育休に関する記載がなくても1歳未満の子供を持つ人は男女関係なく育児休業を申し出ることができます。法律で決まっていることですが、まだまだ会社やそこで働いている人への認知は広まっていないようです」
4位に「取得する理由がない」(20.2%)が入っており、以降「職場の理解のなさ」(18.1%)、「経済的不安」(13.0%)、「昇進・昇給への影響」(9.3%)、「元の職場に戻れるかわからない」(6.2%)など職場関係への懸念が挙げられている。
取得して良くなかったこと「職場で厄介者扱いされた」「パートナーが家事をしなくなった」
育休を取得した男性に取得して良かったことを聞くと、最も多かったのは「子供の成長が見られた」(68.0%)。次いで「育児に慣れた」(44.0%)、「親としての自覚が持てた」(42.0%)と続く。子どもと、親としての自身の成長を感じられることがメリットとして大きいようだ。
良くなかったことは「家計が厳しくなった」(45.0%)が最多で、「子供の世話で疲れた」(26.0%)、「昇進・昇給に影響が出た」(16.0%)となった。やはり家計への影響が大きく、長期間収入が減るのは家計に大きな痛手となっている。
また4位以降、「職場で厄介者扱いを受けた」(15.0%)、「復帰後に仕事のポジションがなくなっていた」(13.0%)という人も。他にも「パートナーが家事をしなくなった」(13.0%)という声もあがっている。
産休・育休中に旅行に出かけたことがある人は37.0%。うち91.1%は「後ろめたさは感じていない」という。同社は「育休を取得するかどうかは仕事のことが大きく関わってきますが、いざ取った後は会社を気にせず自由に時間を使っている人が多いようです」と分析した。