戸板女子短大の学校案内がほぼファッション誌 地方の高校生にキラキラキャンパスライフをアピール
戸板女子短期大学(東京都港区)が女性向けファッション誌と見紛うような大学案内を作成した。付録には、韓国コスメ「TONYMORY」のフェイスパックが付いており、4月からオープンキャンパスなどで配布している。同大は昨年もファッションブランド「WEGO」の防滴スマホケースが付いた大学案内を作成していた。
私立大学の定員割れや短期大学の廃止が相次ぐ中、ユニークな大学案内や企業コラボレーションでアピールし、学生の関心を集めるのが狙いだ。
「戸板に行けばあの可愛い輪の中に私も入れる」と好評
「TOITA charms 2019」と題された大学案内にはファッション誌のようなコーナーが並ぶ。「Toita Girls Snap」では在校生24人のコーディネートを紹介。「1day密着リポート」では起床から就寝までの生活を追うことでリアルなキャンパスライフをイメージできるようになっている。
同大の立地を生かした「港区Spot6選」も掲載。レインボーブリッジや東京タワー、人気ハンバーガー店を紹介した。一般のファンション誌と遜色ないユニークな大学案内になっている。
同大・広報の担当者は、作成の背景について、次のように話す。
「一般に大学案内は、学部や学科の説明が中心で、学生生活について詳しく知ることはできません。しかし高校生から2年間でどのようなキャンパスライフを送れるのか知りたいという要望があり、作成を決めました。これを見て『戸板に行けばあの可愛い和の中に私も入れる』と魅力を感じてくれる学生が多いようです」
同大では『戸板で創る、私の未来』という一般的な大学案内も併せて発行している。各学科の説明や履修モデル・就職・留学についてはこちらが詳しく、「TOITA charms 2019」ではあえて学生生活に焦点を絞った形だ。
こうした広報活動が実り、受験者数は着実に増加している。特に進学を期に上京したいという地方出身者の反応がいいという。
東京ガールズコレクションやすき家とコラボレーション
近年、短大の学生募集停止や廃止が相次いでいる。昨年7月には、「アオタン」の呼称で親しまれてきた青山女子短期大学が2019年度以降の学生募集停止を発表した。
2001年には学習院女子短大が廃止され、07年には明治大短大が、11年には山脇学園短大が姿を消した。背景には、18歳人口の減少と女子学生の4年制大学志向がある。
こうした厳しい状況の中、前出の担当者は「4年制にも負けないような短大を作りたい」と意気込む。
「今後は、4年制大学で身に付くのと同等のスキルや能力を2年間で身に付けられるような授業やプログラムを提供していきたい。あえて短大に進むという選択が広がるといいと思います。女性が社会に出て活躍できるようにするのが私達の役目です。早く社会に出れば、結婚や出産で職場を離れるまでの時間が長くなり、活躍の幅も広がります」
同大では企業とのコラボレーションを行っており、在学生は「東京ガールズコレクション」のスタッフに加わったり、すき家の商品開発に携わったりすることができる。こうしたプログラムと就職課の手厚い支援で、同大の就職率(2017年)は、大学の就職率97.3%を上回る99.2%となっている。