「忙しい部署は毎日終電やタクシー」学生人気も高い経済産業省、他省庁より残業多め「月100時間くらいはしてる」
「将来なりたい職業ランキング」などで上位に食い込むことも多い公務員。特に不況時などは大卒・高卒に関わらず人気の就職先となるが、売り手市場の近年も手堅い人気ぶりを誇っている。
当記事で取り上げるのは、経済産業省の職員たちの口コミだ。経済・産業の発展と、鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図るため様々な行政事務を担当している。外局には資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁を設置している。(参照元:キャリコネ「経済産業省」)
「休日出勤もしばしば」「忙しいので有給は取りにくい」
国家公務員というと「残業が多い」イメージも根付いているが、経済産業省は業務が多岐に渡るため、配属先や時期によっては、やはり多忙を極めるようだ。他の省庁などと比べても残業は多いという口コミが目立つ。
ただ、「サービス残業が多い。仕事が深夜まで続いてしまう。国会議員の質問取りや国会議員からの注文などの余計な仕事が多い」(50代前半 男性 年収800万円)という声がある一方、「ある程度の仕事が継続的にあれば充実できるが、部署や場所、時期によってまったく仕事がない場合もあるのでその場合どうやって時間をつぶすかが問題となる。職員が責任ある仕事を非常勤に任せたがらないパターンもあるが、全体的に仕事が少ない場合もある」(20代前半 女性 年収240万円)といった声もあり、部署や職種の差はかなりあることが伺える。
「忙しい部署とそうでない部署の差は激しいです。忙しい部署は、毎日終電やタクシーが多いです。忙しい部署は限られており、それ以外の部署は、定時に近い時間に仕事を終わらせる事が可能です。有給も、チームで調整すれば比較的希望通りに取る事ができます。年末年始の休み、夏休みもちゃんと取れます」(30代前半 女性 年収500万円)
「部署にもよりますが、各官庁のなかでも残業は多いです。月に100時間くらいはしています。忙しい官庁だとは了承の上みなさん入省していますし、もちろん残業代がでるのも半分以下ですが、仕事が楽しいので我慢できます。基本的に土日は休めますが、いかんせん忙しいので有給はとりにくいです。確か公式の有給消化率は5日くらいだったような…」(20代前半 女性 年収300万円)
「毎日残業があるが、休日出勤もしばしば。ただ、仕事はやりがいがあり、楽しい。おすすめしたい職場だ。ただ、残業が多いため健康管理には気をつける必要がある。無理をしすぎす、日々仕事をこなしていけば次第にちからがついていく。若いうちからやりがいのある仕事が任せられる」(20代後半 男性 年収450万円)
中でも総合職として採用された場合は、朝から深夜まで働くことも珍しくないようだ。
国家公務員の平均年収670万円は、一般的な民間企業の会社員よりも250万円ほど高い水準だが、現場で身を削って働く20代~30代の若手職員が、現状の給料に満足感を持てていないのも事実かもしれない。
上層部はまだまだ男社会「執務時間も長く、体力的にも負担。女性登用の実情は厳しい」
他の省庁と同様、国全体に影響を与えるスケールの大きな仕事に携わることになるため、自らが関わった仕事が新聞やニュースにも取り上げられる機会も多い。それだけ世の中の関心が高い仕事をできることは、少なからずやりがいに繋がっているようだ。
すぐに結果が出ない種類の仕事も多いが、国の根幹に関わる仕事ができることもあって、社会貢献に対する思いが強い人ほどやりがいを実感できるといえるだろう。
「世界の経済分野に精通している上司の元で秘書として働くことは大変面白く経済の裏側の国際情勢に触れることもでき、日々驚きの毎日です。テレビではなかなか発信されない発展途上国での根強い部族問題がもたらす経済への影響力、天然資源が多くある国での外国人労働者の現状など多くの国際的な影の部分について目の当たりにしてきました。その中で奔走している上司の一番の理解者になるべくアシスタントとして勤務することはなかなか経験出来ないことだと思います」(30代後半 女性 年収400万円)
「実務は、他社と変わらない事務作業で、パソコンの知識が必要とされると思います。部署によっては翻訳作業などもあり、英語力が必要な部署もあります。面白味は、国が動く仕事に関われるところでしょうか。民間企業では体験できない国の根幹に触れ、政治が動く瞬間を目撃できることは、大きなやりがいにつながりました」(20代前半 女性)
男女による待遇差も基本的には存在しないが、経産省の口コミでは拘束時間の長さなどもあって、出世に関してはまだまだ男社会の面が強いといった内容の口コミも見受けられる。
「男性女性関係なく管理職を目指せます。やはり公務員なので女性の管理職登用には力をいれていますし、むしろ女性を管理職になるべくあげようとする風潮まで見受けられます。もちろん仕事は忙しいですが、女性でも公平に評価してもらえるので女性におすすめの職場であることは間違いありません」(20代前半 女性 300万円)
「派遣の立場として職場を見ていた限りでは、実情はなかなか厳しいと感じました。執務時間も長く、体力的にも負担が多いことから、幹部候補は圧倒的に男性が多く、いわゆる男性社会だと感じます。一方で、国の機関であることから、男女の雇用促進には努めており、今後の施策次第では、女性幹部の可能性もあるかもしれません」(20代前半 女性)
ワークライフバランスの実現が強く謳われる近年、人事院は各府省に「超過勤務の縮減に関する指針」を打ち出し、早期退庁の奨励などに積極的に取り組み始めている。今後そうした取り組みがどう口コミに反映されるかにも注目したい。(参照元:キャリコネ「経済産業省」)