「帝王切開は立派なお産」プリキュア出産回に経験者から賞賛の声「世の中の誤解が解ければいい」
育児やLGBTなど、社会的な話題を取り上げることで注目を浴びている『HUGっと!プリキュア』(テレビ朝日系列)。10月7日の第35話「命の輝き!さあやはお医者さん?」では、作中で「帝王切開」が登場し話題を呼んでいる。
今回の放送は、主人公・野乃はなや友人の薬師寺さあやたちが病院を訪れ、医師の仕事を体験するという内容だった。産婦人科のシーンでは、第二子が逆子のため帝王切開での出産を控える母親が登場。母親は「(生まれてくる)次の子には完璧な子育てをしようと。なのに最初からつまずいて」と帝王切開を「つまずき」と感じているようだ。しかしそれに対して、女性の産婦人科医は、
「帝王切開はつまずきじゃないわ。立派なお産よ」
と励ました。
「20年間心に刺さっていたトゲを今になってアニメが抜いてくれるとは」
無痛分娩や帝王切開など、自然分娩以外の出産方法に対しては、未だに偏見が残っている。実際に帝王切開で子どもを産んだという人たちは、
「『楽して産めて良かったね』とか『少しくらい痛い思いしたほうが産んだ気になっていいんじゃない?』とか言われてきてほんとに嫌だった」
「親族に『陣痛を経験しないと本当の母親とは言えない』『あんたの逆子体操が悪かったんじゃないのプギャー」と言われて泣きながらブチ切れた」
とツイートしていた。そうした偏見を覆すような内容に「今日のプリキュアすごくない?」「20年間心に刺さっていたトゲを今になってアニメが抜いてくれるとは」と称賛の声が相次いだ。
インターネット上の医療情報に触れる場面もあった。さあやは帝王切開についてネットで調べ、「赤ちゃんや母体にとっても安全な方法って書いてありました。ネットにあるお母さんたちの声はネガティブなものばかりじゃなかったんです。あやちゃんのお母さんに教えてあげれば、不安も和らぐかも」と医師に相談していた。
しかし医師は、「理論上はね。でも手術を受ける母親の気持ちは別よ。ネットにはいろいろ有意義な情報があるわ。けど、あのお母さんやあのお母さんの赤ちゃんの情報があるわけじゃない」と釘を刺した。ネットの情報を鵜呑みにしないことの重要性と、医師として患者の気持ちに寄り添うことの必要性を説いたようだ。
子ども目線の不安には「お姉ちゃんになる時誰もが思うこと」と共感
また今回の放送では、弟が生まれることに対する長女・あやの葛藤も描き出した。弟が生まれ「お姉ちゃん」になるあやが「弟なんていらない。弟が生まれなければ、ママはあやのママでいられるのに」と泣き崩れたシーンにはあ、「妹や弟ができたら、お姉ちゃんになる時誰もがちょっとは思うこと」と共感する声が上がっていた。
プリキュアでは過去にも出産を取り上げている。8月12日放送の第27話「先生のパパ修業!こんにちは、あかちゃん!」では、終盤、約3分間にわたって出産シーンを描き話題を呼んでいた。