外国人労働者は「日本に来ても幸せになれない」 「処遇改善のためにも、技能実習生制度を廃止すべき」と指摘する声も | キャリコネニュース
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外国人労働者は「日本に来ても幸せになれない」 「処遇改善のためにも、技能実習生制度を廃止すべき」と指摘する声も

2017年の1年間で失踪した外国人技能実習生は7089人。逃げ出す人が後を絶たないのは、受け入れ側に問題があると考えられるが、政府は13日、更なる受け入れを拡大するため出入国管理法改正案の審議に入った。

同日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、外国人材を生かす取り組みを紹介する一方、解説キャスターの山川龍雄さんからは「技能実習生制度を廃止すべき」といった意見も飛び出した。(文:okei)

「もっといい将来を望んでいたはずが、地獄のような状況に」

画像はWBS公式サイトより

画像はWBS公式サイトより

ベトナム語通訳士の山本美香さんは、入国管理局や警察署、裁判所などで通訳を務め、外国人労働者の過酷な状況を目の当たりにしている。ベトナム人を助けるため「在日ベトナム共済会」を設立した山本さんだが、

「(技能実習生は)いじめられ、どうしたらいいかわからない。相談できるところがなく、違反してしまった」
「もっといい将来を望んでいたはずが、地獄のような状況になってしまうと心が痛いですね」

などと沈痛の面持ちで語っていた。

今の制度では、過酷な待遇に耐え切れず逃げ出せば、「不法滞在」扱いになり、強制送還されてしまう。山本さんの紹介で証言したベトナム人留学生の2人は、「(時給は)500円や600円。いっぱい残業しても給料がもらえないことがある」と話す。「みんな借金して日本に来ており、帰ると借金を返せないため給料が少なくても働くしかない」とつらい立場を明かした。

悪質ブローカーがベトナムの若者に「夢のような生活ができる」と騙り、多額の手数料を取っていることも、問題を根深くさせている。「これらから日本に来る人は幸せになれるかな?」と聞かれると、留学生の2人は「なれない」と同時に即答。絶望しか感じられないようだ。

テング酒場では、ベトナム人アルバイト向けの研修も

そうした中、居酒屋チェーン「テング酒場」などを展開する「テンアライド」は、外国人材のやる気を引き出し、上手く活用しようとしている。就労ビザを取得し正社員になったベトナム人のグエンさんが、ベトナム人アルバイトに特化した教育に携わったことで、早期離職が1年で5%減ったという。同社は外国人の正社員を増やし、外国人材の育成に力を入れる予定だ。

既に企業活動になくてはならないものになっており、2013~2017年の5年間で、建設業、運輸・郵便業では、日本人労働者が減り、外国人労働者が増加。製造業でも外国人労働者が大幅に増加している。みずほ総研の高田創さんは「既に移民大国」と指摘していた。

解説キャスターの山川龍雄さんは、外国人技能実習生の賃金が低いことを挙げ、「処遇改善のためにも、技能実習生制度を廃止すべき」と主張している。

「一番の問題は辞める自由がないこと。企業に隷属的になっている。辞めるイコール帰国なので、失踪につながる」

外国人技能実習生は、基本的に受け入れ先を限定され、自分から辞める自由はない。確かに入管法を変えるなら、受け入れ態勢も整えることが急務だ。

山川さんは8日の放送でも「このままいくと、安くてこき使えるという考えの企業が温存される。基本は、外国人を受け入れるということは日本人と同じ待遇にする制度設計にする必要がある」としている。「そうしないと、翻って今度は日本人の賃金にも跳ね返ってきます」と訴えていた。

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