飲食店の6割「消費税増税に合わせて値上げする」 「今から少しずつ値上げしている」という店も
シンクロ・フードは12月3日、「消費税引き上げに向けた対応」に関する調査結果を発表した。調査は今年11月に実施し、「飲食店.COM」の会員である飲食店経営者309人から回答を得た。回答者のうち70.2%が1店舗のみを運営しており、東京にある飲食店の割合は54.4%だった。
「2014年4月の消費税増税時に値上げをしたか」を聞くと、62.1%の店舗が「実施した」と回答した。「売り上げへの影響があったか」については、65.9%が「影響はなかった」、34.1%が「影響があった」と答えた。
また、「影響があった」と答えた人に、「売上に対して影響のあった期間」を聞くと、最も多かったのは、「1~3ヶ月以内」(39.7%)だった。
2014年の増税時「オーダーの品数が減った」「(来店の)頻度が落ちた」
「影響があった」と回答した人に、どのような影響があったかを聞くと
「オーダーの品数が減った。ドリンクはあまり影響なかったが、フードは目に見えて減少した」(東京都/イタリア料理/1店舗経営)
「単価については影響は大きくなかったが、頻度が落ちた印象」(東京都/バー/3~5店舗)
「しばらく来店数と単価が下がっていた」(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/11~30店舗)
「一人当たりのドリンクの出が減った。値段の高い商品が出にくくなった」(大阪府/洋食/1店舗)
といったコメントが寄せられた。
「2019年10月に予定されている消費税引き上げのタイミングで、メニュー価格の値上げを予定しているか」を聞くと、62.1%が「予定している」と回答した。消費税分をメニュー価格に加算するなど、多くの飲食店で値上げが実施される見込みだ。
「消費税引き上げと軽減税率の導入に向けて実施したこと」を聞くと、飲食店側からは、
「増税事態に関しては前回から外税表記を徹底し、お客様に周知、ご理解をいただいております」(東京都/イタリア料理/1店舗)
「今から少しずつ値上げしてあるので、税率の引き上げが開始された時に値上げしなくて済む様にしている」(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
「売価据え置きのための、店舗オペレーションの簡略化によるコスト削減や食材・取引先の変更による原価率低減」(茨城県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
「テイクアウトなどは8%のままなので、レジ前にお持ち帰りできる商品を作るなど」(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/11~30店舗)
といった意見が挙がった。
多くの飲食店が、消費税引き上げと軽減税率の導入に対して対策を行っている一方、「どういう対応をすべきか専門の方に意見を仰いでいます」「どうしたらベストなのか検討中」といったコメントも寄せられ、対策に四苦八苦する飲食店の現状が推察される。