武井壮、スポーツ界の暴力肯定派を痛烈批判 「人を殴らないなんて地球上どこだって当たり前」
12月10日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に武井壮さんが出演し、スポーツ界のパワハラ、暴力問題に改めてノーを突き付けました。
番組では、貴ノ岩関が自身の付け人を殴った責任を取り、引退会見を行った等と報じた日刊ゲンダイの記事を紹介。意見を求められた武井さんは、「(スポーツ界以外にも)上下関係がある場所にはまだまだ(暴力は)ある。本当になくならない」と語り、
「そういう奴はごく少数。その少数の、殴られなきゃ人に敬意も示せない、自分の道を照らすことも出来ない奴のために、人を殴ることをよしとするなんて、おかしな論理だと思いませんか」
と切実に訴えました。(文:篠原みつき)
「僕はまったく影響なかった。殴られても、そんなことは一切関係ない」
武井さんはスポーツ界で暴力がなくならない原因を、「自分たちもそれをやってきた過去があるから、否定しづらいっていうのが一番大きい」とコメント。暴力が当たり前で問題にもならなかった時代が長かったため、「その名残りがあるのは当たり前」として、
「一番の問題は、暴力を受けたとしても、先生や本人が熱意を持っていたり、チームがすごく強かったり、もしくは個人の能力が秀でていたりして、どんな環境でも強くなったやつがいるんですよ」
と指摘します。
本当に強い人は暴力に関係なく強くなったのに、暴力を受けて「強くなった」と感じている人が山ほどいるため、そういう人たちは暴力を完全には否定しない。しかも「暴力はダメだ」に対して、「それじゃあ強くなる人が減る」という反論が多いのも、それが原因だとの見方を示しました。
司会の蝶野さんが、武井さん自身は暴力の影響があったか聞くと、「僕はまったく影響なかった。殴られていようがいまいが、自分で道を追求して強くなれたと思うし、そんなことは一切関係ない」ときっぱり。
しかし、「それを言うと、そんな強い人ばかりじゃない、殴らなきゃわかんない奴がいるから必要だと言われる」と不満を口にし、冒頭のように「少数の出来ない奴のために、人を殴ることをよしとするなんて、おかしな論理だと思いませんか」と訴えました。
「当たり前を求めるのが綺麗事だって言うことがおかしい」
武井さんは、「まずは(暴力が)無いことが大原則」と主張し、自身のツイッターでも度々体罰について批判をツイートしています。しかし、それに対して「綺麗事だ」と言われるとのこと。真剣な表情で、
「綺麗事じゃねえよと。それが当たり前。人を殴らないなんてことは、地球上どこだって世の中で当たり前のことで、当たり前を求めるのが綺麗事だって言うことがおかしいんですよ」
「当たり前のことを当たり前と言えて、さらに殴らない上に、より素晴らしい指導を目指そうっていうのが綺麗なことですよ。だから綺麗事のレベルを下げんじゃねえよって思います。スポーツごときのことでって、俺はずっと思ってます」
と力強く語り、あくまでスポーツ指導に暴力は必要ないという主張を貫きました。武井さんのこうした主張は、ネット上で一部に否定もある一方、称賛や共感を多数集めています。
番組では、漫画家の倉田真由美さんが「久々、武井さんの言うことに100%頷けた。ほんとそうよ。今日は良いこと言ったわ」と話し満足そうでした。