離婚を思いとどまらせるのは「持ち家」説 「いざ別れようと思うと面倒くさくて別れられない」
1月29日の『ソノサキ』(テレビ朝日系)では、県民性と離婚の関係性を特集した。厚生労働省の「平成29年人口動態統計」によると、県民1000人あたりの離婚組数が最も多かったのは沖縄県(2.44組)だという。2位の宮崎県(1.97組)や3位の大阪府(1.96組)を大きく引き離している。
番組が沖縄県民に聞いたところ、同県の男性は女性やお酒が好きすぎて、女性側が絶えられず離婚してしまうケースが多いと言った意見が寄せられた。(文:石川祐介)
離婚率1位の沖縄は持ち家率46位 離婚率45位の富山県は持ち家率が1位
ただ、『おんなの県民性』(光文社新書)などの著者で県民性に詳しい矢野新一氏は「沖縄の人は即断即決が特徴」と分析する。
「離婚率も高いけど転職率も高い。一度考えたら踏みとどまることがない。思い立ったら即仕事も変える」
総務省の「就業構造基本調査」(2017年)によると、沖縄県の転職率は6.7%で1位。矢野氏はこのデータからも、沖縄県の人は瞬発的な行動力が非常にあるため、結婚も離婚もすぐに決断してしまうと分析していた。
番組では、離婚率は都道府県中45位と低いのに、相模ゴム工業の調査で浮気率が2位だった富山県にも注目した。番組が富山県民にインタービューすると、56人中11人が浮気経験ありと回答していた。
浮気率が高いのに離婚率が低いのはなぜなのか。県民の声で多かったのが、
「持ち家率とか結構高いから」
「持ち家率が高い。みなさん共働きで家のローンを払っているから、いざ別れようと思うと面倒くさくて別れられない」
と、持ち家への言及だ。
総務省の統計によると、富山県の持ち家率は79.2%で全国1位。一方、沖縄県(48.0%)は46位と低い。離婚カウンセラーの岡野あつこ氏は、離婚できない理由の1つが持ち家というのは、相談者を見ていて感じるという。
「家が欲しいけど、ローンが払えない奥さん。それから、ご主人も別れたら1人だと広すぎるとか、いろんな面で持ち家は(離婚の)ネックになります」
離婚時に財産を別ける際、現金だと簡単だが、家は売りに出したりローンを組み替えたり、とにかく手間がかかってしまう。そのため、離婚を踏みとどまる夫婦は珍しくないという。”子はかすがい”とよく言うが”家もかすがい”らしい。家の購入時には、パートナーと一緒にいる覚悟も強く持つ必要があるのかもしれない。