本来なら、労働者が働きやすくなるための「働き方改革」。生産性や効率をあげるための対策を行い、実行できている会社であればさほど問題はないだろう。しかしキャリコネニュース読者からは「雑な働き方改革」で困ったエピソードが寄せられている。
研究開発職の40代女性は、会社の考え方に働き方改革とズレがあると指摘する。評価を明確に行うためとして評価基準がころころ変わり、その度に1~2時間の説明会があるという。
内容が薄くても参加必須で開催されることから、「人事の点数稼ぎに全員が付き合わされている」と感じているようだ。
「人事は、ルールやゴールが期中に変わることでモチベーションが下がることを理解していない。そしてルールが変わるたびに書類も変わり、使い方もルーチンにできないので、手間は増えるばかり」
効率をあげるためという会社の行動は、「私たちの時間を奪っている」と明かした。
「自分たちがよければ、それでよし!なんてどうかと思いますよね」
IT系技術職の40代男性は、無茶苦茶な労働時間削減に頭を抱えている。男性は、自身の仕事いついて必要機材を万全に整えることができれば、従来の作業時間の3分の2までは短縮できるという。
そこが限界なのに会社側は、「最低限必要な機材も無い状態で、従来の3分の1~5分の1の時間で作業完了を強要してくる」という。
IT会社務めの50代女性は、働き方改革がもたらした”悪しき風潮”を嘆く。社外出向が大半というスタイルのなか、「自社で働く総務部を中心に、定時退社を推奨するようになった」と言う。
「それによって総務部は自分たちで無駄だと思うことをやらなくなってきました。その分、他部署が対応するはめに……」
こうした現状に、「自分たちがよければ、それでよし!なんてどうかと思いますよね」とこぼす。
会社のために率先してマニュアルをつくると「そんなもんに何時間もかかるか!」
管理・事務職の40代女性は、会社の決めた年間労働時間の削減方針により、個人的なダメージを受けた。異動先の上司は「電卓でこの作業は1件〇分だから、全部で〇時間でできるだろう」とイレギュラーは全く加味しない。女性は、会社の計画時間を守って働いていた。しかし、
「まるで残業のために仕事しているように言われ、私のせいで部署の生産性が落ちてると言われました」
と明かす。また業監査用の書類に不備が多く、マニュアルを作成したが、「そんなもんに何時間もかかるか!」と責められたことも。面接室での一幕だったため、「恐怖で何も言えず、それが気になり逆にミスが増えてきました」という。女性は
「今まで無視されてきたサービス残業をしても仕事が終わらない会社なのに、いきなり時間を減らしても、逆に効率、仕事の精密性は落ちていくと思います。去年、家を建てましたがこのままでは収入減は間違いなし。すでに家を売る考えも頭に入れています」
と綴った。
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