ヤフー知恵袋に9月中旬、「義母に『子育てを楽してる、母親失格!』と言われてしまいました」と嘆く相談がありました。相談者は、保育園に2歳の子どもを預けて正社員として働く母親です。
働いているのは生活のためではなく、子育てだけでは息が詰まる、仕事が楽しいからだそう。しかし、専業主婦で息子2人を育て上げた義母からは、事あるごとに
「あなたは楽してるもんねぇ、子育ての大半をしてないわね」
「楽なとこだけ自分で見て面倒な事(トイレトレなど)は全部保育園なのねぇ。嫌なところも全部見るのが本来の子育てなのにねぇ」
などと責められています。(文:篠原みつき)
義母の言葉を信じ「専業主婦の人より楽してるのに何で疲れてるの?」と言い出す夫
「子どもは母親が面倒みるべき」という考えの義母は、子どもを保育園に預けているというだけで、「楽している」と決めつけています。保育園に預け初めのころ、仕事が忙しくてやむを得ず義母にお迎えを頼んだところ、
「あなたは全然子育てをしてないね。母親失格だよ!」
と言われたといいます。
その後は一度もお迎えを頼んだことはないそうですが、悪いことに、そんな義母の言葉を信じる夫は「楽しているんだから俺は手伝わなくてもいいや」という姿勢です。相談者が「疲れた」と言っても、
「専業主婦の人より楽してるのに何で疲れてるの?」
「仕事で自分の時間持ててんだからいいじゃん。(中略)仕事行く日は保育園に預けて終わりだし、保育園が面倒な事教えてくれるんでしょ?何もしてないんだから疲れるとか言ってたら専業主婦の人に失礼だよ」
などと言い出す始末。
“保育園に預けて終わり”なわけがありませんが、相談者は「やはり専業主婦の人から見て、保育園に預けて働くのは楽してるなと思いますか?」と気に病んでいます。
相談は注目を集め、回答欄には「保育園に預けて働く人を楽してるとは思いません」をはじめ、
「いや、それはどう見ても義母さんの世間が狭すぎ」
「旦那さんを見る限り義母さんは子育てを失敗したようですね」
など、義母や夫に対する批判が多く寄せられました。
育休中の人からは、「むしろ専業主婦のほうがラク」といった声も目立ちます。保育園は365日24時間子どもをみてくれるわけではありません。ワーキングマザーは登園の支度やお迎え、前後の家事もこなさなければならず、かなり負担が大きいと訴えています。
「価値観はそれぞれなので、押し付けが一番いけないこと」
一方で、少数ながら「旦那さんが低収入で働かないとやっていけないわけではないし、言い方悪いですけど自分の我儘(息が詰まる)で働きに出てるなら楽してるんじゃないですか?」という回答も見られます。筆者も専業主婦経験があります。乳幼児は少しでも目を離せば命に係わるので、保護者は24時間緊張状態。トイレトレーニングや箸のしつけがストレスになる人も多く、どちらのほうが楽とは言い切れないでしょう。
この相談のベストアンサーは、「自分も子どもを産めば子育てに専念するのが当たり前だと思っていた」という人からの回答です。価値観の違う夫と生活する中で考え方が変わり、
「私の視野は狭かったと今では反省しています(中略)価値観はそれぞれなので、押し付けが一番いけないことだと思います」
としています。
専業には専業の、共働きには共働きなりの苦労や楽しさがあります。生活のために選択肢がないという人もいるでしょう。回答欄は、「それぞれの苦労があるわけで、どちらが楽なんて比べること自体、時間の無駄です」といった助言や励ましも相次ぎました。一番いけないのは、母親を否定し続けて劣等感を与えてしまうことではないでしょうか。子育ては夫婦2人に責任があることを、夫には早く気づいて欲しいものです。