新しい仕事を探す人にとって、求人票は大切な情報源となる。最近は人手不足で求人が増え、できるだけ条件のいいところを探そうと、求人情報を見比べて応募先を決める人も多いはずだ。しかし、その求人情報に虚偽の記載があったという人も少なくはない。
キャリコネニュースに寄せられた「ブラック企業体験談」に関する体験談では、「求人が嘘ばっかり、定時で上がれる仕事内容ではなく、できなければ仕事が遅いとみなされる」(40代女性/販売・サービス職)というように、求人票の内容と実際の働き方の違いに苦しむ声も見られた。
「求人に年間休日105日と記載されていて、入社後に気づいたら年間休日97日」
どのような点が求人票との違ったかというと、回答のほとんどは「勤務時間の違い」を指摘するものだった。
「求人票には8~17時勤務。実際には正社員のみ6~17時が通常業務。早出は残業とみなされない」(30代女性/技術職)
「求人票に勤務時間8~17時までと書いてあったのに、いざ出勤してみると3~20時」(40代男性/技術職)
他にも「求人に年間休日105日と記載されていて、入社後に気づいたら年間休日97日だった」(30代男性/技術職)といった回答も多く見られた。この男性は現在、未払い残業代の請求するために民事裁判を起こしている最中だという。
求人票に実際の勤務時間や勤務日数を記載してしまうと、応募者が来ないことがある。実際の労働時間を伏せて募集せざるを得ないのがブラック企業の実情なのかもしれない。だとしても求職者としては迷惑この上ない話だ。
「ガソリン代、高速代、もろもろは完全自己負担。求人では内容を伏せて募集しています」
現在、管理・事務職で働く40代の女性は、新聞広告で見つけた募集を見て応募したことがある。
「初出社した日に『派遣に登録してください。派遣社員として就業してもらいます』とはじめて言われた。コンビニよりも低い時給で、高レベルな秘書業務・翻訳業務・通訳業務をさせられ、厚生年金等の加入も1年以上すっぽかされた」(40代/管理・事務職)
雇用形態に関わる話は最重要項目と言っても過言ではない。こうした重要な話は面接の段階の説明をするべきはずが、内定した後になって伝えるのは卑怯だ。低い時給で派遣として働かせようとする姿勢は、人件費を極限まで抑えようとするブラック企業ならではのやり方ともいえる。
こうした一ブラック企業の求人では、嘘をつくのではなく、あえて告知せずに募集をかけているところも多いようだ。
「仕事はルート巡回、営業で自家用車を使用。ガソリン代、高速代、もろもろは完全自己負担。求人では内容を伏せて募集しています」(年代不明/販売・サービス職)
この女性は現在、この会社に就業中だそうだが、すでに退職を決意しており、こうした求人募集に「皆さんもお気を付けください」と注意を促している。
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