ホームレスに配るピザ代をお客が支払う店 「エレガントな飢え対策」への連帯呼びかけ | キャリコネニュース
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ホームレスに配るピザ代をお客が支払う店 「エレガントな飢え対策」への連帯呼びかけ

「ローザのピザ」の店内

「ローザのピザ」の店内

英語でpay backと言えば「借りを返す」というような意味ですが、pay it forwardという言い方もあります。「恩送り」とでも訳せばいいのでしょうか。人から受けた恩を直接その人に返すのではなく、別の人に送るということです。

これを実践しているレストランのひとつに、米国フィラデルフィアの「ローザのピザ」があります。CNNニュースがレポートしています。(文:夢野響子)

10か月で9000枚のピザが無料でまかなわれる

「ローザのピザ」は、これまでホームレスの人々に何千枚ものピザを無料で配ってきました。この店にピザを食べにくる顧客が、自主的に余分のピザ1枚分の代金を先払いしていくからです。オーナーのメイソン・ウォートマンさんは、きっかけをこう説明します。

「ある日、ピザを食べに来た人が、1枚分余計に払っていったんだ。ピザを買うお金のない人用にって。同じようにしてこの10か月で、9000枚のピザが無料でホームレスにまかなわれた。もちろんホームレスのコミュニティは、ありがたく思っているよ」

「ローザのピザ」の店内には、壁はもちろんペットボトルの冷蔵庫の側面やカウンターにも、色とりどりの付せんが所せましと貼られています。実にカラフルです。近づいてみると、先払いしていく人がホームレスに向けて書き置いていったことが分かります。

「助け合おう」
「あなたのことを気にかけている」
「神の恵みがあるように」

店内にいた女性は「自分用にピザを1枚、それからホームレス用に1枚。社会に恩返ししたいもの」と動機を語ります。ウォートマンさんが「これはクールだね」と言って指差したメモには「Eat up & Don’t give up (とにかく食べて、諦めるんじゃない)」と書かれていました。

壁のメッセージで「心を温められる」のが最高

彼は、自分の母親の名前を付けたこのレストランを経営するために、元の仕事を退職しました。彼はこれを「エレガントな飢え対策」と呼んでいます。

「国内には数えきれない数のレストランがあるんだから、食べる物のない人にすぐ食べ物を供給することができる。みんながこの方法を実行すれば、飢えの問題なんてすぐに解決できるんだから、これを他のレストランにも受け入れてほしい」

壁に貼られた紫色のメモにぎっしり書き込まれた文字を、指で追いながら読んでいるのは、ホームレスのマイケル・ロドリゲスさん。そこには「あなたたちが感じていることは、私には想像もつかないんだろうと思うと、申し訳なく思います」と書かれています。

ロドリゲスさんのような人には、ここの温かいピザと壁に貼られた言葉が支えです。彼は「この店に来て、大好物のピザをタダで食べられるだけじゃなく、壁のメッセージで心を温められるところが最高だ」と言います。

彼が指差す別のメモには、「私も以前あなたの立場にいたの。神を信じて、正しいことをしなさい。あなたにも奇跡が起こることを信じて。ただそれには時間がかかるのよ」という言葉が、たくさんのハートマークに縁どられて書かれていました。

(参照)Paying it forward with pizza (CNN Money)

あわせてよみたい:ホームレスはもらった100ドルをどう使うのか?

 
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