本来ならノルマを達成できかなったとしても本人が自腹で補填する必要はない。それなのに自腹を強要する職場が存在する。キャリコネニュース読者からも、
「新聞販売店に勤務しておりましたが、営業のノルマが上がらないと自爆営業をしていました。中には自爆営業と前借りのしすぎで、給料が1000円という人もザラにいました」(40代男性)
「社長愛用の健康グッズを毎月配布され、給与から2~3万円が天引きされる。24時間風呂の販売営業もあり、年に1台は自爆で購入」(40代男性)
といった経験談が寄せられている。以前、ゴルフ場のレストラン店長をしていた30代男性は”ギフト販売”の自爆営業について明かす。
ゴルフ場レストランでギフト券販売「年々上がっていく数値目標」
当時、このギフト券は客単価を上げる施策として、お中元お歳暮の販売に力を入れていた。しかし、ギフト券について男性は、「お客様はゴルフをしに来ているだけで、別にギフトを買いに来ているわけではありません」という。
「それなのに、当時の上司は『あそこの店舗はいくつ売れている』『予算を超えるためにはいくつ売上が必要』と圧力の凄いこと」
従業員らは上司のプレッシャーに気圧されるように、一人数千円もする大して見栄えのしないギフト商品を自腹で購入するはめになった。しかしそれがきっかけで、翌年のギフト販売が予算化され、会社は前年を超える売上を要望してきたという。
「上司も自爆営業での売上だとは報告していませんでした。年々上がっていくと分かっている数値目標を達成する気にもなれず、上司とはいつも対立していました」
結局、男性はゴルフ人口も年々下がり続けるゴルフ業界に将来性を感じられず身を引いた。現在は当時のスタッフと新しい店を開くため、協力して資金を貯めている途中だといい、
「わざわざゴルフ場のレストランでそんな物を売らなくても、美味しい食事、満足のいくサービスを追求すれば売上なんて普通に上がるのに。2度と戻りたくない業界です」
と綴った。
自爆したものを他店に売却、客にバレている
かつて中古販売店の店長をしていた30代男性は、当時の会社の体制を振り返る。系列店は一駅ごとにあり、他店は割引販売を行っていたが、男性が任される店舗だけ定価で販売しなければならなかった。
「当然お客さまは割引をする他の系列店に流れるため、売り上げは常に最下位でした。ノルマは1日5万円で設定されていましたが、1000円を超えれば良い方です。酷いときはゼロなんてこともしばしばありました。売上の9割は従業員の自爆です」
従業員の中では購入商品を系列店に売却する流通経路もできており、中にはそれを目当てにする客もいた。男性はテナント撤退時に退職したが、その際にも「売れない商品をすべて購入させられた」という。
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