ネットでは東京とそれ以外の都市の経済格差がよく話題になる。1月7日のガールズちゃんねるには、「東京以外の地方の方、お子さんが上京したいと言ったら賛成しますか?」というトピックが立っていた。トピ主の夫は九州出身で大学進学のため上京し、「以来ずっと東京人」とのこと。地方在住の人へ、「お子さんが進学、就職で上京を望んだ場合、賛成ですか?」と問いかけた。
東京以外のすべてを「地方」とは随分雑な括りだが、地域別年収ランキングは東京が1位。最低賃金の額も、東京都の1013円が堂々の1位で、次いで神奈川県の1011円だけがやっと1000円超だ。そのほかは900円台が5府県、800円台が23道県、700円台は17県で、85%が900円未満である。地元を捨てて東京に惹かれる人が多いのも無理はない。(文:okei)
(参照:令和元年度地域別最低賃金改定状況)
反対する人「進学の場合、経済的に難しい」
この書き込みに対しスレでは、多くの人が「許す!」「寂しいけど、賛成」など、ほとんどが上京肯定派だ。理由は、「自分もそうだったから」をはじめ、
「チャンスがあるなら一度は経験させた方が良いと思う」
「賛成です!地方にいても発展性がないから可能性が広がるように」
「(東京は)人も金もチャンスも仕事も全て桁違い」
と、むしろ地方に見切りをつけて出ていったほうがいいとする積極派も多い。「地元にいて欲しいけれど、近くに大学がないから仕方ない」という声もあり、地方に可能性を感じられない、上京は止められないという認識が根強い様子だ。
他方、反対する人の理由としては、就職なら許容できても「学費と生活費の仕送りは経済的に厳しい」と、進学では金銭面の不安を上げる声があった。これもまた地方の不利な点と見る人もいて、
「地方に住むってそういうことだと思うよ。子供がいれば大学進学とかで上京費が掛かる」
と厳しい指摘も。地方では教育や働き口の選択肢が少なく、進学や就職を機に首都圏に出てくる流れは、今も止まらないようだ。
「日本がオワコンなのを一極集中でごまかしているだけ」という辛辣な声も
しかし、ネットの普及でサテライトオフィスや在宅勤務など、地方にいても仕事ができる環境は整備されつつあるはずだ。それでも、一極集中が止まらないのは何故だろう。
5ちゃんねるでも2018年、「日本の地方の”途上国化”がやばい、なぜ地方は見捨てられてしまったのか?」というスレッドも立っていた。
「地方の貧乏人年収200万以下。地方の中流年収350万。年収500万あればもはや羨ましがられる環境。なぜ地方を国は助けないの?」
というコメントを皮切りに、「なぜ都会に出てこない?」「その発想のせいで潰れるんだよなあ」などと論争になっていた。
東京に比べて物価が低いため賃金が抑えられているといわれる地方は、もちろん地域にもよるが、車しか交通手段がなく、燃料代など維持費が重くのしかかる。決して賃金が安くても良いわけではないのだ。「35歳で月収20万いかない。新車と結婚は諦めた」など、希望を持てない働き盛りの嘆きが切なかった。
「地方っつーか日本自体がもう終わっちゃってるのを、都心部だけに力を集めてまだ日本終わってないよって誤魔化してるだけだよ」
という声もある。
このスレッドは、なぜか今年1月9日からまとめサイトで再び注目を浴び、今度は地方というより海外に負けているから「日本はオワコン」など、日本全体の低迷や政治の愚策を批判するコメントが続々書き込まれていた。
よく、法人税を上げると企業が海外に流出するなどとも言われる。もはや若者は、東京を目指すより海外に出たほうがいいのかもしれない。