ブラック企業は精神論や根性論を重視する傾向がある。キャリコネニュース読者からも、
「『気合い・根性・努力ができればなんでもできる!』と言われた」(30代男性、技術職)
「上司に恵まれず、訳の分からん持論に振り回される日々が続いております」(30代男性、営業職)
「24時間拘束のホテル勤務で休憩時間は1時間のみ。仮眠なし。社員研修中の身で一週間タダ働き。給料もなし」(30代男性、サービス・販売職)
といった声が寄せられている。今回は技術職の30代女性が綴る、前職でのブラックエピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
フォークリフトで接触事故「怖くなり辞めました」
女性は過去に勤めていた2つの会社を、いずれも試用期間内に退職した。そのひとつが、従業員20人以下の製缶工場だ。現場管理や品質保証がずさんな上、休憩なしで24時間以上の勤務が日常茶飯事だったという。
「工場長も現場に参加しますが、機械が止まると我関せずで携帯ゲームに夢中。社員はクレームが来たら対応すればいいという感じです。そのせいで製品が返却され、再検査の繰り返し。機械も不調のため、生産が遅れて毎日が残業でした」
工場内の移動手段として、ハンドリフトをキックスケーターのように使用する社員もいたという。また、高さ5メートルの製品パレットがフォークリフトの死角となり、別の女性社員が接触事故の被害者になったこともあった。女性は「事務員まで現場に入っていて、怖くなり辞めました」という。
「朝はお局様に必ず挨拶をしにいき、昼は女性社員がお茶を用意するのが決まり」
続いては、従業員50人以下の制御盤工場でのことだ。パワハラ・モラハラ・セクハラの温床で、製造課の根性論は異常だったという。女性は新人である業界未経験の20歳男性に、業務改善の提案をしたという。すると、
「結局その場では答えられず、上司や先輩に相談していました。でも相手にされなかったみたいで、困った彼はなぜか同期の私に聞いてきました。上司は私のとった態度が気に入らなかったのか、周りの人間に『あの女は前の会社で問題を起こして辞めた』と言いふらしていました。ちなみに前職は円満退職でしたが」
女性は「気に入らないなら最初から雇わないでほしい」と綴る。また製造課では、生理が来たら必ず報告するというルールもあった。それでいてトイレには、サニタリーボックスがなかったという。
さらに女性は、お局の存在についても語る。
「朝はお局様に必ず挨拶をしにいき、昼は女性社員がお茶を用意するのが決まりでした。あと、なぜかお局様が全員の弁当箱を洗うというルールも。しかも洗っているお局様の後ろに弁当組の人が並び、バケツリレーのような形式で所有者に返却されます」
あまりにも謎ルールの多い職場だとしか言えない。女性は「会社を見る目が養われていない自分にもガッカリします」とこぼした。
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