新型コロナウイルスで外出を控えるようになり、現在巷でブームになっているのが「オンライン飲み」だ。在宅ワークでWEB会議を行う時に使うZoomやスラック、またはLINEやSkypeを使って友人らとビデオ通話をしながら飲酒する “在宅飲み会”だ。
社会人になり、いつの間にか「遊ぶ」と言えば「飲む」ことになってしまった。しかしこのご時世、飲みに行くのは憚られる。まさにオンライン飲みは救世主のように思えた。しかし1つ問題がある。酒量がめちゃくちゃ増えるのだ。(文:市ヶ谷市子)
「終電を気にしなくていい」というメリットのようなデメリット
現在、筆者は在宅ワークに切り替わって約2か月が経とうとしている。独身、一人暮らし、在宅ワーク、業務上のやりとりはスラック、外出もしないとなると、最初のうちは「おうち時間が増えて嬉しいな~」だったのが、1か月経つ頃には鬱々とした気分が続くようになった。
元々、一人でいる時間を大切にしていたが、それでも「人と話したい。雑談したい。世間と関わりたい」と思ってしまうのだ。新型コロナでただでさえ不安なのに、人と会えないとなるとさらに憂鬱になってくる。これに気づいてからは積極的にオンライン飲みを行うようになった。
オンライン飲みの相手は同じく東京で一人暮らしをする友人だけでなく、通っているジムの友だち、婚活アプリやツイッターで出会った人、小学時代の友人などさまざまだ。Zoom、Skype、LINEなどでビデオ通話をしながら飲んでいる。
複数人の飲み会だと、同時に喋られたときに若干聞き取りづらいが、話す内容は普通の”飲み会”と同じ。というかオンライン飲みが流行して以来、普通の飲み会は”オフライン飲み”と言うようになった。
普段だったら飲みに行かない人とでも気軽に飲めるのがオンライン飲みのいいところだ。またお互い家で飲んでいるので、終電を気にしなくていい。友人たちと「解散即就寝できるじゃん~!」とはしゃいでいたのだが、これが問題だった。
「オンライン飲み、死ぬほど飲んでしまうから酒の買い置きをしなくなった」
筆者は楽しくなると酒量が増えてしまう。普段なら友人のペースに合わせて飲み食いするし、「終電だから帰るね!」が出来るのだが、自宅だとそれができない。その結果、なぜかハイスピードで全力飲酒をしてしまうのだ。
しかも大体20時から深夜1~2時ごろまで飲んでしまう。通常なら3件ははしごしてる。酒飲みにとって「終電」は酒を飲みすぎないために必要不可欠なものだったのかもしれない。
何よりオンライン飲みは会計を心配する必要もなければ、酒を頼んで待つことも、店を探してウロウロすることも不要だ。ただ、家にある酒をひたすら飲めばいい。飲み屋で大体3~5杯程度しか飲まないが、オンライン飲みだと500缶のビールを2本飲んだ上でワインを1本開け、さらにビールを開けることはザラだ。
友人も「オンライン飲み、死ぬほど飲んでしまうから酒の買い置きをしなくなった」と言っていた。筆者も極力買い置きをしないようにしている。「お酒なくなったらからおやすみ!」が出来たらいいが、なぜか毎回コンビニに行く。最寄りセブンは私の冷蔵庫だ。
オンライン全力飲酒した翌日、「もう飲まない」と決意するものの、その2~3日後にはまた飲んでいる。本当にオンライン飲酒は自制心のある人間のみ行うべきだ。筆者のように楽しくなると飲みすぎるタイプは行うべきではない。
自制心を持つもののみオンライン飲みを行うべきだけど……
……とはいうものの、やっぱり人と話しながら酒が飲みたい。そんな筆者は、最近心がけていることが2つある。1つ目は「オンライン飲みは週1回」。それ以外の通話は夕食をとりながらとか、お茶を飲みながらとか、デザートを食べながらとか、極力飲酒しないようにしている。
2つ目は「全力飲酒する時は、空き瓶や空き缶に水を入れて一気飲み」。二日酔いの頭痛は水分不足であり、酒を飲む際は同量の水を飲むのが正解だ。なので瓶・缶・グラスに入ったアルコールを飲み干したら、そこに水を入れて飲むのだ。
そこまでして飲みたいかと言われたら、可能であればビール1本飲んで解散したい。中には「明日早いから1時間だけ飲もう」という人もいる。こういう場合、安全に飲める。でもなぜか毎回全力飲酒をしてしまうのだ。いま一番欲しいものは自制心です。このままだとアルコール依存症になりかねない。新型コロナウイルスの終息を願うばかりだ。