普通に生活していれば、警察の厄介になることなどそう滅多にないものだ。しかし、会社で起きた事件に思わぬ形で巻きこまれた人もいる。大手家電量販店で総合職として10年働いた30代男性は当時を振り返って、
「組合と36協定の定めた残業時間宣言を全く守られていなかった。昼休みに電話番。その時間分の休憩もなし。暴力が横行していて残業申請簿に記載するのを忘れると上司に首根っこを掴まれた」
と綴る。誰も通報していないため男性自ら警察や組合に通報し、「ようやく本社の人事部が腰を上げた」という。キャリコネニュースに寄せられた投稿を紹介する。(文:林加奈)
カルチャースクールの経理のはずが、出会い系サイトの事務の仕事だった
別の30代男性は、カルチャースクールを運営する会社で経理として働いていた。入社前、面接で「アダルト関係の会社の経理処理も請け負っています。抵抗はありませんか?」と聞かれて「仕事だから抵抗ありません」と答え、採用が決まったという。ところが
「カルチャースクールはフロント企業で、実質はグループ会社が、サクラを多数雇った出会い系サイトを運営しており、そちらの経理含め事務全般を行う業務でした。料金決済用のダミー会社の口座を作るために、偽の会社をでっちあげて銀行に口座を作りに行かされたりしていました」
当時、リーマンショックの直後で男性は「辞めたくても次の仕事が決まらないかもしれないという恐怖と、知らなかったとはいえ、関わってしまったから抜け出せないんじゃないかという思いで辞めるに辞められなかった」という。
詐欺の口座として通報され、警察から聴取
男性は人をだますことに耐える日々を4年間過ごした。しかし銀行からの通報によって終止符を打つこととなる。
「ダミー会社の口座から売り上げを本体に移すときに詐欺の口座として止められ、銀行でそのまま個室に連れていかれ警察を呼ばれました。そこで経緯を話すと、知らずにやっていたので逮捕はないとのことでしたが、そこで糸が切れたのか、その場で退職を決めました」
男性は、「一歩間違えたら犯罪者として逮捕されていたかと思うとゾッとします」と振り返る。刑事事件に発展しかねない”業務”が行われている会社では、従業員は被害者にも加害者にもなりうるのだ。可能であればすぐに退職して関わりを避けるべきだろう。
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