緊急事態宣言が発令され、外出自粛が強く呼びかけられている。だが、こうした社会情勢の真逆を行くブラック企業もあるようだ。
事務、管理職の30代女性は「コロナウイルスで自粛の最中、飲み会への参加を強要された」と明かす。不要不急の集まりを避けた“オンライン飲み会”が誕生する中、いまだに飲み会を開いている企業もあるという。しかも、参加を強要されては尚更たちが悪い。(文:林加奈)
感染拡大地域に出張命令「社員の健康なんて考えてない」
多くの人が外出を控える中、出張に行かされた人や、出張から帰ってきた社長から迷惑を被った人の声が寄せられた。
「毎週のようにコロナ感染拡大地域に出張させられている。社員の健康なんて考えていないのが改めてわかった」(30代女性/技能・設備)
「社長が出張大好き。先週も今週も大阪に。帰ってきたと思ったらマスクもせずに来やがった」(30代男性/営業職)
運送業など、物流を支える仕事ではやむを得ないかもしれないが、不要不急ならば遠出は控えるべきだろう。出張という形ではなく、オンラインで連絡できないものだろうか。
素材・食品・医薬品技術職の30代女性は過去に広告代理店に勤務していたことがある。
「残業代がビタ一文出ず、有給休暇を使わせない、いじめやパワハラ、セクハラがあり、相談したら解雇をちらつかされた」
という典型的なブラック企業だが、新型コロナウイルスが流行している今なお、平常通りに営業中だという。「辞めて正解だったと改めて痛感させられました」と女性は安堵する。
解雇なのに「“退職届を書け”と自己都合退職にされそうになった」
デイサービスで働いていた50代の女性は、試用期間中に解雇になった経験をこう語る。
「利用者の送迎で使う車が故障したとき、一時的に借りた代車の後部座席にシートベルトがありませんでした。シートベルトがない状態で利用者を乗せて運転するように言われましたが、拒否したことで社長に嫌われました」
安全上のことを考えれば、シートベルトを着用せずに運転することなどもってのほかだが、社長はそれを認めなかったらしい。女性はその後、利用者の前で罵倒されるなどのパワハラを受けたという。コロナ感染の不安から利用者が減ったことで、本採用されなかった。
「解雇なのに『最後の恩情だから退職届を書け』と言ってきました。退職届を出すと失業手当等で不利になります。労働基準監督署に相談して、解雇通知書を出させました」
自己都合による退職と判断されると、失業手当を受給するまでの待機期間が伸びてしまう。社長は、利用者も従業員もないがしろにしていると思わざるを得ない。
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