ブラック企業の劣悪な環境に振り回され、散々な思いをしている人は多い。キャリコネニュース読者からも
「酷い月だと400時間以上の勤務。みなし管理職なので残業手当もつかず、休みもなかった」(40代男性、技術職)
「50代半ばの上司からパワハラを受け、被害者同士で結束。社内コンプラ委員会に通報したらパワハラは認定された。しかし通報者のうち2人は解雇になり、1人は異動になった」(30代女性、事務・管理職)
「朝5時から深夜1時まで働かされ、月の残業が80時間くらいでも少なく感じるようになった。職場は社長のためにみんなが働くという雰囲気。ある日突然、デスクから椅子がなくなり、立ちスタイルのレイアウトに改造されていた」(40代男性)
といった経験談が寄せられている。(文:鹿賀大資)
「もう保険料のために働いている感じです」
営業職の50代女性の勤め先は、世間に名の知られた保険会社だ。採用には特に力を入れており、その理由については採用者に関わる家族などからの契約を見込んでいるためだという。
「採用者の配偶者や親、子どものほか、友人に知人まで、もうすべてです。実際に入社後は、契約が取れなければ、そうした家族や友人に頼まざるを得ません。でないと自爆営業する羽目になりますから。上司もそれを促します」
女性は結局、自社の保険を契約することになったという。「給料には歩合や資格手当などがつくものの、そこから保険料を引かれるから、どうしても手取りは少なくなります。もう保険料のために働いている感じです」と書いている。
「契約者が2年以内に解約すれば、契約報酬は会社に返還」
また、保険の契約がとれた場合についても綴る。
「契約者が2年以内に解約すれば、その間に支払われた契約報酬を会社に返さなければなりません。契約者の遺族には保険金が支払われるので当然、感謝されます。しかも会社としては早期に保険金を支払うことになるので、儲けはありません」
こうしたことから、職場では退職者も増えているという。
「一応、コンプライアンスは徹底しているけど、それはあくまでも表向きです。それこそ、いつ亡くなるかは誰にもわからないのに、とても矛盾したルールの上で働いています」
必死に契約を取ったとしても、実質的には2年間保証なしの状態と変わらない。保険会社でありながら、従業員への保険はないようだ。
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