一部の地域を除き、緊急事態宣言が解除されたものの、外出を自粛したり3密を防がなければならなかったり、まだまだ予断を許さない状況は続いている。
今回の緊急事態宣言を受けて、企業側もさまざまな対応を迫られているが、コロナをきっかけに会社に不信感を持ち、退職を決意した人がいる。
「社長が出勤しろと言う姿勢を崩さず、上司もテレワークを認めてくれない。会議室で会議している。従業員を守ろうとしない。陽性者が出たらテレワークに切り替えるとの噂」(埼玉県/派遣社員20代女性)
陽性反応が出てからテレワークを始めるのでは手遅れではないだろうか。陽性者が出る前にテレワークで感染を防ぐのが通常の対応のはずだ。
他にも、コロナに関する会社の方針に不満を抱き、退職を決意した人の声を紹介する。(文:林加奈)
“3密”で妊婦を働かせるブラック企業「在宅と出勤の社員の給与が一緒」
都内在住の20代女性は、今回のコロナ危機で会社の本質が見えたため、退職を決意したという。その経緯をこう語る。
「コロナの影響で売り上げが下がり、新しい部署が立ち上げられた。そこはテレマーケティングで1日200コール以上させられる部署。15畳ほどの広さの部屋に15人いて、中には妊婦の方も。もともとコールセンターだったが辞めるかここに異動かで仕方なく異動してきたそう」
1日200コール、と3密に近い環境で妊婦を働かせる会社の姿勢はまさにブラック企業そのものだ。ブラックな一面を感じる会社の対応は他にもあり、
「他の部署が徐々に在宅を始める一方、私たちは週5フルで出勤。平等は難しいかもしれませんが、週5在宅と週5出勤している人でリスクが違うのに給料形態は全く一緒で納得がいきませんでした」
女性はコロナにかかったときのことを考えてしまい、ニュースでコロナの話題を見ただけで鬱状態になるほど体調が悪くなったという。
「残業代カットで月給7万円でも副業禁止」で飼い殺し状態
埼玉県内のホテルで働く30代の男性は、コロナ以前から過酷な労働環境におかれていた。
「朝10時頃出勤し、帰宅は日付超えて午前1時2時が普通でした。基本給は月18万程度。手取りは30万前後ありましたが、残業代や休日出勤手当で稼げていました」
ところが、今回のコロナ禍で4月と5月は休業となり、基本給の6割保障から諸々引かれて手取りが7万円まで下がってしまった。
「日額で計算すると3,500円です。フリーターにも日額8,330円を15,000円に引き上がるとニュースで流れているのに。腑に落ちません。月給7万円では生活費どころか家賃も払えません。しかも休業中の副業もできないので飼い殺し状態です」
確かに給料が7万円しかないにもかかわらず、副業が禁止では生活が成り立たない。このような社会情勢においては、せめて副業は解禁してほしいものだ。男性は「生活のために、やりがいもキャリアも正社員という安定も捨てます!」と、新たなステップを踏み出す決意を語ってくれた。
※キャリコネニュースでは引き続き「新型コロナで退職を決意した人」や「新型コロナで散財したものは?」に関するアンケートを募集しています。