ローソンのPB新パッケージは可愛い?分かりにくい? 実際に店舗で購入してみた結果 | キャリコネニュース
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ローソンのPB新パッケージは可愛い?分かりにくい? 実際に店舗で購入してみた結果

ローソンPB新パッケージ

ローソンPB新パッケージ

ローソンのプライベートブランド商品の新パッケージに賛否両論が出ている。以前は商品写真を全面に押し出したビジュアルだったが、今年3月中旬から順次新しいものに切り替わっている。

新しいパッケージはベージュ地で、フォントも優しい印象だ。ビジュアルも中央に小さなイラストが描かれ、周りには原材料のイラストがパターン状にあしらわれている。柔らかいトーンで可愛らしいデザインだ。

ネット上では「ローソンのお茶のパッケージ、めちゃめちゃに可愛くない?」「ローソンに妙にかっこいいパッケージの牛乳あった」といった声が挙がっている。一方、「商品が選びにくくなって不満。統一感ありすぎてパッと見で区別がつかない」と否定的な人も多い。

具材の似ている「肉じゃが」「豚汁」はイラストだけでは判断できない

パッと見のわかりやすさでいうと左

パッと見のわかりやすさでいうと左

実際に店舗を訪れてみた。PBブランドの商品を見ていくと、従来のデザインのものもあるが、大体は新デザインに切り替わっていた。

モチーフが可愛い

モチーフが可愛い

1リットル紙パックの飲料は、お茶のイラストの周りに、ジャスミン茶だと透明のポットと花、緑茶だと急須と茶葉のパターンがあしらわれている。これは可愛い。

牛乳は牛乳タンクのシルエットが白であしらわれている。パックのトップ部分が水色のものが成分無調整牛乳で、ピンクだと低脂肪牛乳。一見、無印良品のような統一感のあるスタイリッシュなデザインだ。

豚汁と肉じゃが

豚汁と肉じゃが

ただ、商品写真が大きく掲載されている従来パッケージのほうが、すぐに何の商品か把握できた。新パッケージは、パッケージサイズが同じで具材も似ている「肉じゃが」「豚汁」のような商品の場合、イラストだけでは判断できず、しっかり凝視しなければならない。フォントも繊細なので、情報認識に少し時間がかかる。

「日常空間に入り込むものなので、目に入る情報を少なくしました」

視認性という点ではイマイチという感じのする新パッケージ。ローソン広報担当者は、「パッケージのリニューアルを定期的に行っており、お客様のニーズに合った商品パッケージをデザインしています」と話す。新パッケージの賛否については把握しているという。

以前はコンビニで買うものといえばおにぎりやサンドイッチなど即食性の高いものの購入が多かったが、昨今は惣菜など日持ちのする商品を日常的に購入する人が増えているという。牛乳や卵、納豆などの食料品のほか、歯磨き粉などの日用品も販売しており、

「これらは自宅にいつもあるような商品です。だからこそ、皆さまの生活空間にとってやさしい存在でありたいと考えました。ノイズにならず、生活空間に入り込めるかを考えた時、山盛りの情報より、できるだけシンプルにしてお伝えしたいと考えました」

パッケージ変更で売上に変化はあったのか。同担当者は「特に、SNSなどで可愛いと言っていただいている1リットルパック飲料については売上が約1割伸びています」と話していた。

冷凍食品も伸びているが、新型コロナウイルスの影響もあり、パッケージの効果かどうかは一概にはわからないという。現状、”可愛いから売れる”のか”分かりにくいから手を伸ばさない”のか定かではない。

個人的には、購入する際に一瞬で「これ食べたい」とはならないが、手に取りたくなるデザインだ。可愛いパッケージのものが冷蔵庫に入っているとテンションは上がる。無印良品的な揃えたくなるデザインだと感じた。

デザインの流行サイクル「分かりにくい」→「分かりやすい」→「分かりにくい」

昨今、”スタイリッシュなデザイン”が度々話題になる。スタイリッシュかつわかりやすいものもあるが、中にはあまりにもスタイリッシュであるために使い勝手が悪く、「デザインの敗北」と揶揄されることもある。

記憶に新しいのが、デザイナーの佐藤可士和さんがプロデュースしたセブンイレブン「セブンカフェ」だろう。佐藤さんは店頭に設置するコーヒーマシンのデザインも行ったが、操作ボタンが英語表記のみでわかりにくく、「あたたかい」「ふつうサイズ」といったテープを自前で貼る店舗が相次ぎ、不評だった。

こうした「オシャレだけど分かりにくい」デザインはなぜ生まれるのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは「現在、デザインの揺り戻しが起こっています」と指摘する。いいデザインは”パッと見てわかりやすいもの”だが、デザイン業界にはそれを崩してきた歴史があるという。

「バブル期の1980年代には”分かりづらい方がオシャレ”という風潮がありました。森・小泉首相の時代に不況となり、”分かりにくいと買ってくれない”ようになります。例えば、1998年発売の『甘栗むいちゃいました』が分かりやすい商品の代表例です。昨今の”分かりづらいデザイン”はさらにそれの揺り戻しです」

また、デザイン一新の際には必ず賛否両論となるが、「時間の経過とともに馴染む時もあります。ただ、分かりづらいと思ったなら『商品の絵を大きくしてほしい』など提案すべき。それでローソンも売上が上がる可能性もあるのでWIN-WINになるでしょう」と消費者側も改善提案をすべきだと話した。

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