人は切羽詰まると本性が出やすいものだ。特に新型コロナウイルス騒動で、身近な人の”負の部分”が垣間見えたという人は少なくないだろう。千葉県の60代女性はキャリコネニュースに、
「とにかく周りの人たちに『医療機関で勤務している』と言うだけで、白い目で見られます。中には『近寄らないで』とはっきり言われることも。『だったらあなたが罹患しても当院には来ないでね!』とやんわり言ったら、相手は顔を引きつらせていました」
といった経験談を寄せている。今回は職場における「コロナ絡みのゴタゴタ」について寄せられた声を紹介する。(文:鹿賀大資)
「コロナはチャンス」VS「コロナ徹底排除」二大派閥で社内混乱
広島県のマスコミ系企業で働く40代女性は、社内の派閥争いで生じた溝を語る。女性の会社では、コロナに対する考え方の違いにより、2つの派閥ができているという。
「1つは管理職を中心とした『コロナはチャンス』という人たち。『他社が自粛している今がチャンスだから』と安価で納期が短い仕事をガンガン受けてきます。おかげで繁忙期です。もう1つの派閥は内勤者を中心とした『コロナ徹底排除』という人たち。外勤者が帰社すると消毒薬を吹き付け、書類なんかはビニール手袋越しに受け取っています」
両派は会話もままならないため、少しずつ業務に支障が出ているという。問題が起きたのは、”コロナ徹底排除派”の人間が「感染したらどうしてくれるんですか」と詰め寄った時だった。
「そこでチャンス派の上司が『感染したらどうするかではなく、感染せずに納期を守る方法を考えろ。社員を感染から守ったせいで会社が潰れたら、どう責任を取るんだ』と返してしまったのです。そのせいで数人の内勤者が出社をボイコットしてしまいました」
その内勤者らは有休扱いを受けているという。女性は「ただでさえ忙しいのに人が減ってしまい、しわ寄せが凄いです」とこぼしている。
保育園休園でワーママ一斉に休業「双方に見えない壁ができた」
サービス系の会社に勤務する東京都の50代女性も、一部の社員に負担がのしかかる状況を明かす。その職場では、子どもを抱える社員の出社を大きく減らしている。そのため、残された社員でカバーしなくてはならない。母親が多い部署での支障が顕著に出ているという。女性はその矛先を国に向ける。
「政府からのお達しだし、保育園でも預かってもらえない現状なので仕方ない。同居する家族に高齢者や病人がいても、政府からは配慮されない。出社することはコロナに感染するリスクが大である。政府によって配慮される人とされない人が明確に分けられたことで、職場では双方に見えない壁が出来たと思う」
会社では表立って苦情を訴える人間はいない。しかし裏では雑談などで不満の声が出ているという。
「同僚は子持ちの社員に対する不満が大きくなってしまった。ただ、自分が小さな子どもがいたら休んでいると思うし、みんなも致し方ないということはわかっている……」
ほかには、
「何というか信用していた人から仕事を奪われたんで納得がいかないです」(福岡県/50代男性/IT・通信系)
といった声も寄せられていた。
※キャリコネニュースでは引き続き「新型コロナで人間関係にヒビが入った人」や「新型コロナで散財したものは?」に関するアンケートを募集しています。