「一番面白いガンダムはダブルオー! OPもEDも全部神」 なぜ一部のガンオタは自分から火種を撒いてしまうのか… | キャリコネニュース
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「一番面白いガンダムはダブルオー! OPもEDも全部神」 なぜ一部のガンオタは自分から火種を撒いてしまうのか…

アルケーガンダムはかっこいいが……

アルケーガンダムはかっこいいが……

先日、HGUCのZガンダムを組み立てようとしてパーツをぐるりと見渡し、そっと棚に閉まった。どうも最近は、ガンプラの素組みすら億劫になってしまって、初期の初期に出た300円のBB戦士すら組み立てられていない。

ガンダムは好きだしガンプラも大好きなんだけど、気力がなかなか沸いてこない。良くない。せめてこちらでガンダムネタでも書いて気分を充足させたい。

さて今回は、ガンダムシリーズのどれが一番面白いのかという、議論だ。不毛ではるが、敢えて書いてみようと思う。(文:松本ミゾレ)

ダブルオー至上主義者の語る”これが一番!”

一口にガンダムシリーズと言っても作風は千差万別だ。初代『機動戦士ガンダム』から約40年。ファーストの続編や、世界観を別にしたもの、仕切り直しの新要素マシマシのものなど、実に多様な作品が出ている。

僕は『機動戦士Zガンダム』が特に好きなんだけども、ガンオタの数だけお気に入りの作品があるわけで、ことさらに世代間で争うつもりもない。『Gガン』も『ポケ戦』も『Gレコ』もそれぞれに光る魅力はあるし、わざわざビームサーベルよろしく振りかざして別のファンと喧嘩してもしょうがないと思っている。

そしてこれは、歴の長い、アラフォー以降のコアなガンオタにとっては、ある程度共通認識ではないだろうか。ここに至るまでには「どの作品が一番なのか」みたいなことを他のオタクと言い争うような段階もあったかもしれないが、やがてそんなことは不毛で無意味と悟る。そうしていつかは「みんなそれぞれに良さがあるし」という心持ちになっていくのだ。

だけど、この過程のまだ真っ只中にいる、期待の若手ガンオタの中には「いいや、これが一番。あとは駄作」みたいに、無用なランク付けをしたがる人もいる。

先日も5ちゃんねるに「ぶっちゃけガンダムで一番面白いのって『ダブルオー』だよな」というスレッドが立っていた。

このスレ主なんてまさにその典型的な、成長途上(というか無駄な論争で疲れ果ててしまう前の段階)のガンオタのように見える。『機動戦士ガンダムOO』が一番面白いというスレ主の書き込みを紹介したい。

「エクシア(主役の搭乗機)も一番かっこいい」
「OPもEDも全部神」
「キャラの成長を感じるのは魅力」

僕は『ダブルオー』は放映当時の付き合ってた彼女の影響で観ていたけど、たしかにOPもEDも悪くない。THE BACK HORNの「罠」、イントロがいいよね。というかあの時期のあの時間帯に放送されていたアニメって、ハガレンとかも含めてやたらテーマ曲も良いのが多かった気がする。

そしてエクシアも勿論かっこいい。そのバリエーションもシルエットが都度ビビットに変化するので見ていて面白い。キャラクターについては私見だけど、個人的にキャラの成長描写はあんまり興味なくて、描き分けが出来ている部分は気に入った。イケメン多いけど、それぞれにヘルメット被っててもすぐに区別が付くって、結構ありがたい。

機体デザインも独創的なものが多いし、アルケーガンダムやアルヴァアロンは特に気に入っている。スレ主はこういう魅力を列挙して、『ダブルオー』という作品がいかに素晴らしいかを説くつもりだったようだが、いかんせんガンオタってのはすぐに対立するもの。

こんな書き込みもあった。

「ガンダムで地球外生命体との戦いを描いたのは評価されるべき。それを『やっちまった』と思うべきかは分かれそう」

これにスレ主は「別に地球外生命体を登場させたのが気に入らないっていうのは自由だしいいと思う。でも事実を歪曲して過剰な批判をする奴は許せないわ」と書き込んでいる。

“過剰な批判をする奴は許せない”

この言葉って結構な暴力だよね。僕なんかはこういう論調のガンオタをこれまで5兆人ぐらい見てきた気がするので「はい出た~」と思ってしまった。

めんどくせえのだ。こうなると。

それに、そんなことをスレ主に言われたら「そんなん言ったら『ダブルオー』が一番面白いっていう意見も他の作品への全否定、過剰な批判。事実の歪曲じゃん」って気もしてくるし。

このようにスレ主はアンチ未満の、論議の余地のありそうな意見にも食ってかかっている。

ガンオタの、悪いエキスが滲み出ている。そのためスレッド自体も伸びてないし、結局闊達な意見交換も行われることはなかった。テンプレ通りのガンオタのダメな部分が溢れた結果である。

このスレッドだけに限らないことだけど、ガンオタはそれぞれに思い入れのある作品を心の中に抱くものだし、それを至上の作品と思ってしまうこともしばしばある。それで、そういうことを控えめに表現する程度なら別に問題ないんだけど、自分がどれだけ思い入れがあるかってことを表現するために「一番面白い」って言うのは悪手なのだろう。

たとえば冒頭で書いたように僕は『Z』が好きだけど、わざわざ大勢のガンオタがいるところで「いや~Zが一番だな」とかは言わない。言うメリットがないし。そんなのを聞かされたら、他の作品のファンがモヤモヤするだろう。

今回の例をとっても、スレ主は「ダブルオーが一番」と主張しつつも、他の作品については実は貶してもいない。しかし、それでもスレッドでは噛みつかれてしまっているし、割と冷静にダブルオーについて、「個人的には一番ではないかな」と意見を表明している書き込みもある。

でもそういうのを一括りにして反論と捉えてムキになっちゃってる節があるので、なんというか「若いガンオタさんだね。そういう時期もあるよね」ってなる。

ガンオタって大勢いるけど、全然一枚岩じゃない。「俺の推す作品こそが」のガンオタは結構多い。どの作品が一番なのかって議論自体が、争いの元なのだろう。

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