累進課税に不満を募らせる人は多い。世帯年収600~800万円のキャリコネニュース読者からは、
「余裕はない。平均月収にすると手取りで40万円。これで4人は暮らせない」(50代男性/山梨県/サービス系)
といった声が寄せられている。では実際の年収から、どれだけの控除があるのだろうか。流通・小売系勤務の長崎県の70代男性は、
「固定資産税や健康保険などで毎月20万円かかります」
という。年収600~800万円クラスとはいえ、一口に額面ベースでは語れない“厳しい現実”もあるようだ。ちなみに男性は、
「積立のような貯蓄はしていますが、そのせいか“ゆとり”はありません」
とも述べている。金融・保険系の会社で働く東京都の60代女性は、高額納税に対する負担の矛先を国にぶつけている。(文:鹿賀大資)
「住民税の取り立てはヤミ金よりたちが悪い」
女性は一部歩合による営業職のため、体を張らなくてはならない。気を抜けば死活問題に直面することもあり、「生活のために」と一生懸命に頑張って働いているという。しかし、
「社会保険料のために働いているようで、モチベーションを保つのが辛いです。住民税の取り立ても、ヤミ金よりたちが悪いです。実際はヤミ金を知りませんが」
と綴る。女性はこうした現実から、
「もう少し余裕のある生活が出来るよう、政治家さんたちは想像して考えてほしいです」
と訴えている。
「家も車も中古。健康が何よりの資産」
公務員の40代男性(宮崎県)も「まったく余裕ないです」とボーナスに頼らざるを得ない苦しい現状を明かす。2人の子どもはともに高校生、何かとお金もかかる時期だ。
「下の子が今年、私立に入学しました。私立も学費が無償化されると聞いていましたが、私の年収は対象外。結局は公立の無償化と同額の補助しかおりませんでした。理由は、世帯年収590万円を上回るからだそうです」
そうはいっても、子どもの人数に関わらず一律であれば公平ではない。男性は自身の境遇から「年収制限の要件を変える必要があると思います」という。さらに、
「高い税金に加えて、NHK受信料や電気代も重なり毎月が赤字です。それらを半年分のボーナスで補填して暮らしています。なのでボーナスがなくなった場合は、即時に生活破綻です」
男性は「はっきり言って、何の支援も受けられません。一番幸福度の低い年収ラインだと思います」と不満を拭えない。そうした一方、
「夫婦共働きで中古の家を購入。必要なところにはお金をかけています。車も子どもが小さいうちは、中古を乗りつぶしていく予定です。節約の甲斐もあり、今はいくらか投資に当てられるくらいの余裕が出てきたかと。とはいえ、この年になって健康が何よりの資産だと思えるようにもなりました」(30代男性/岡山県/サービス系)
といった声も寄せられていた。
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