NEXT DX LEADER 創刊にあたって
デジタル技術を用いて組織を変革するDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉を耳にしたことのないビジネスパーソンは、もはやほとんどいないのではないか。
一方で、勇気を持って率先してDXに取り組み、会社の業績や職場の生産性を上げることに成功した人も、同様にかなり少ないのかもしれない。
過去のバズワードと同様、「DX」もまた、一時の流行として消費され、何の成果も残さずに消え去ってしまうのだろうか?
低成長と言われて久しい日本企業が、変革を果たせない根本的な要因は、すでに絞り込まれている。それは「過去の成功体験」にとらわれている人たちがいることだ。
組織で出世し、偉い肩書きがついている人ほど、いまの仕事のやり方をどうしても変えたくない。そんな本音を隠したまま、
「これまでのやり方でうまくいっています」
「DX? そんなものは必要ありません」
などと、もっともらしい理由を積み重ね、現状維持に多大なエネルギーを費やしている。あるいは表向きは変えたふりをしながら、古いやり方を死守している。
私たちは、このような茶番を終わりにしたい。
DXとは、単なるデジタル化ではない。「企業と自分、そして仲間の将来の新しい成長を信じて、過去の成功体験を捨てること」にほかならない。
事業会社の中に、変革をリードする人材の意識を目覚めさせること。それが「NEXT DX LEADER」の使命である。