大手企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は日本を代表するメガバンク、みずほ銀行を取り上げます。
みずほ銀行社員の平均年収は735万円
みずほ銀行は、東証一部上場企業であるみずほフィナンシャルグループ傘下の銀行。非上場ですが、有価証券報告書を開示しています。
最新データ(2020年3月期)によると、みずほ銀行社員の平均年間給与は735.8万円。4期前から22万円減っており、減少傾向にあります。
- 2016年3月期:757.8万円
- 2017年3月期:744.5万円
- 2018年3月期:738.0万円
- 2019年3月期:737.2万円
- 2020年3月期:735.8万円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、26歳営業マンの年収は684万円。月の基本給は25万円ですが、住宅手当が6万円、時間外手当が15万円。「忙しい部署であれば、月80時間の残業は当たり前」と書き残しています。
みずほ銀行のセグメントは5つ。「リテール・事業法人部門」「大企業・金融・公共法人部門」「グローバルコーポレート部門」「グローバルマーケッツ部門」「アセットマネジメント部門」です。
2020年3月期の「業務粗利益+ETF関係損益」は、「リテール・事業法人部門」が最も大きく4977億円。次いで「グローバルコーポレート部門」が3798億円、「大企業・金融・公共法人部門」が3463億円、「グローバルマーケッツ部門」が2302億円。「アセットマネジメント部門」は12億円の赤字でした。
「業務純益+ETF関係損益」では、「大企業・金融・公共法人部門」が1991億円と最も大きく、「グローバルコーポレート部門」「グローバルマーケッツ部門」も1600億円台を確保。粗利益が最も大きかった「リテール・事業法人部門」は純益では188億円と小さく、収益性が低いです。
みずほ銀行社員の平均年齢は38歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
みずほ銀行社員の平均年齢は38.2歳。ざっくり言うと、40歳手前で700万円台前半をもらう人が多いということでしょうか。
- 2016年3月期:27,355人(37.8歳・14.4年)
- 2017年3月期:29,848人(37.7歳・13.9年)
- 2018年3月期:30,301人(37.5歳・13.7年)
- 2019年3月期:29,991人(37.7歳・13.8年)
- 2020年3月期:28,909人(38.2歳・14.3年)
このデータはみずほ銀行単体のものです。みずほフィナンシャルグループ全体では、2020年3月期の連結従業員数が57,264人ですので、グループ従業員の半数はみずほ銀行の社員ということになります。
参考までに、みずほフィナンシャルグループ単体の従業員数は1,677人、平均年間給与は967.9万円。みずほフィナンシャルグループ社は銀行持株会社であり、グループがカバーするすべての事業は、みずほ銀行およびみずほ信託銀行が担っています。
求人募集職種が多い「グローバル部門」
前述した通り、みずほ銀行の業務粗利益は、個人・中堅中小企業を担当する「リテール・事業法人部門」があげています。
一方、業務純益となると「大企業・金融・公共法人部門」のほか、海外進出日系企業等を担当する「グローバルコーポレート部門」や、セールス&トレーディング業務やALM・投資業務を担当する「グローバルマーケッツ部門」が高い収益をあげています。
セグメント別の従業員数は、リテール・事業法人部門が16,519人で過半数を占め、圧倒的多数。次いでグローバルコーポレート部門が4,012人、大企業・金融・公共法人部門が1,753人、グローバルマーケッツ部門が922人、アセットマネジメント部門が84人です。大企業およびグローバル部門は、ひとりあたりの収益性も高いです。
採用サイトにも「グローバルプロダクツユニット」の求人募集職種が最も多く、例えば電力・資源・インフラ事業を対象とした「国内外におけるプロジェクトファイナンス業務」では、海外拠点の勤務もあるようです。
銀行というと個人や国内企業を担当するイメージがありますが、みずほ銀行にはグローバルで活躍できる職場があります。金融機関等での業務経験があり国際的な業務に携わりたい人にとって、魅力的な職場となるかもしれません。
—–