東京地方労働組合評議会の試算では、夫婦と子ども2人の4人家族が都内で「普通の生活」をするには30代で650万円、40代で740万円、50代で960万円が必要だという。では、その「普通の生活」ができるはずの年収1000~1200万円の都内在住者は、どのような暮らしぶりなのだろうか。IT・通信系企業に勤める40代の女性は
「気持ちに余裕はあるかもしれませんが、将来を考えると贅沢な暮らしなどできません。収入の3割を貯金、運用することを目標にして将来に備えています」
と明かしている。他にも、世帯年収1000~1200万円の東京都民のキャリコネニュース読者から寄せられた声を見ていこう。(文:林加奈)
都内だと「子どもを私立に入れられない。老後の準備ができない」
30代の男性は「都内のサラリーマンは、ベース給料だけで妻と子2人を養っていくのは大変です。習い事や学校の公立・私立の選択には、相当慎重にならないといけません。老後の準備も給料だけでは無理です」と語る。世帯年収1000~1200万円でも、子どもを私立に通わせるのは足踏みしてしまうようだ。
IT・通信系の企業で働く40代男性は「子どもを私立に入れられる余裕はないです」という。また自身のライフスタイルについては次のように語る。
「食事や娯楽で何かを我慢することはありませんが、海外旅行はなし、維持費がもったいないので車もありません。貯金するくらいならマンションのローン返済に充てています。この暮らしで老後の貯蓄が可能になるのは、60歳手前になってからですね」
「高級車でなくても車を所有すると余裕はなくなると思う」
都内に住んでいる世帯年収1000~1200万円の人たちからは「車は買えない」という声も上がった。
不動産・建設系の職に就く20代男性は「都内賃貸、妻子あり、車なし。何かを我慢しなくてはならないほどではないが、高級車でなくても車を所有すると余裕はなくなると思う。株で利益を出しているのもあり、毎月のお小遣いに制限がないのは満足している」と語っている。
持ち家を所有する金融業界の30代男性も「中流の暮らしはできています。ただし、車は持てません」としつつ、独自の見解を述べる。
「同じ年収1200万円でも、家賃補助や社宅住まい、地方勤務などの条件により生活レベルが違うと思います。実際に、地方勤務・社宅住まいのときは外車に乗っていた知人が、都内に戻ると売っていました。また、iDeCoや積立、教育資金にお金をまわすと余裕はなくなります」
都内は電車やバスなどの公共交通機関が充実している。そのため車を持たない人は多いが、あれば便利なのは事実だろう。税金や維持費を抑えるために、あえて車を持たない生活を選ぶ世帯年収1000~1200万円の人は多いのかもしれない。
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