依然として収束の気配が見えない新型コロナウイルス。職場では、コロナをきっかけに退職するケースが後を絶たない。佐賀県の50代女性は、
「宿泊業で総務系の管理職をしています。コロナ禍で次期代表者となる取締役がメンタル不調に。業界的に今後が厳しい上に、従業員を大事にできない不安定な次期社長のお守りをするのもウンザリです。退職します」
といった声を寄せている。今回は、キャリコネニュース読者から寄せられた「新型コロナの影響で退職を考えた」という人たちの投稿を紹介する。(文:鹿賀大資)
コロナを理由に「人事異動を拒否した部下」が懲戒免職に
老舗靴メーカーに勤めて約10年という大阪府の40代男性は、目に余る会社の理不尽な体質にしびれを切らす。それは部下が受けた、不当ともいえる退職勧告にあった。会社が緊急事態宣言で休業中だった4月末の出来事を振り返る。
「私は大阪営業所に勤務しており、当時は4人の部下がいました。そのうちの2人が東京に人事異動をするという内示を受けましたが、彼らは緊急事態宣言下を理由に拒否。すると会社は『辞令違反』として、彼らに懲戒免職を命じました」
2人の部下は結局、渋々ながら自己都合で退職したという。それから4か月後、さらに2人の部下が前回同様に東京への異動内示を受けた。
「2人は前回の事例を挙げましたが、会社からは『前向きな異動内示だ』と返されたそうです。しかし異動の時期が近づくにつれ、本社の営業部長や人事責任者から『来ても辛いだけ、ポストはない。今が辞めるチャンスだ』と退職を促される始末」
結局のところ、その2人の部下も退職を決意することになったという。男性は「私も立場上、部下の退職をただただ見過ごすわけにもいかず、すでに退職の意を伝えています」と綴っている。
勤務時間カットされ、生活が困難に「赤字なのでやめてくれ」
サービス系勤務の神奈川県の50代女性は、切迫した状況を明かす。会社の体質について「親会社の言いなりに動く子会社」と切り出す。
「親会社はほぼ在宅勤務だが、うちは徹底されていない。会社が退職させたい人間だけが、出社を強いられている状況。もっと言えば上司から疎ましく思われている人だけが在宅勤務を認められず、非常事態宣言中から現在まで出社を強要されている」
また会社は「コロナに感染したら年休で処理するように」といった通達も出している。そうしたなか女性は以前、会社から早期退職を打診されたが、それに応じなかったという。以来「会社に殺されると切実に思えることは何度となくある」と綴っている。
パート・アルバイトをする青森県の20代女性は、会社の杜撰な対応に退職を決意した。会社のブラックな一面は、女性の入社時から見え隠れしていたという。
「会社は元々、私の希望に沿ったシフトでの採用は予定していなかったみたいです。入社後の給料も希望より少なかったです。ただ配属だけは希望に応じてもらえたので、もう少し様子を見ようと続けました」
女性は我慢を決めた上で会社にとどまった。それなのに「『コロナの影響で赤字のため人件費を削れ』と上から言われた」という会社都合の事情で担当から外されたという。
「勤務時間をカットされながらの日々が続きました。生活が困難になるまで給料も下がり、挙句の果て『これでダメなら辞めることも考えてくれ』と言われました」
女性は「そもそも雇う気もないのに、応募が来たからという理由で採用したのでしょう。こっちだって『赤字なので辞めてくれ』と言われたら、そりゃ辞めて当然です」と憤りを露わにしている。
※キャリコネニュースでは引き続き「新型コロナで退職を決意した人」や「【読者投稿】あえて結婚しない人」に関するアンケートを募集しています。