成長が見込めない会社で働くくらいなら転職したほうがいい。若い世代はもちろん、働き盛りの世代もそう思うだろう。東京都の30代男性(商品企画開発/年収550万円)は、
「この会社ダメだなと思ったので、すでに転職済みなので、前職の話になります」
と前置きし、以前勤めていた上場企業で幻滅した出来事を振り返った。入社前には、「新進気鋭でメディアにもよく出ているなど、外から見るととても良い会社に見えました」と評価していた男性。だが入社後に衝撃を受けたのだった。(文:天音琴葉)
社員はガチガチに縛っておいて「上層部は毎週木曜日と土日祝日休み」
メディアによく出ている会社の中には業績が好調なところもあるだろうが、中にはそう見せかけている会社もある。男性の前職は後者で、実態は売上げが伸び悩んでいた。原因は、「社員をガチガチにルールで縛り付け」ていたことにありそうだ。部下に仕事の裁量をある程度は与えないと、個人としても全体としても成長しないだろう。
「『スカートはひざ上何センチまで』と業務にまったく関係のないところまでルール化するなど、理にかなっていない」
なかには服装規定を設けている会社もあるがセンチ単位は細かすぎる。社員に自由を与えない一方で、「上層部は毎週木曜日と土日祝日休みなど、目に見える待遇の差」もあった。しかも、
「上層部は出張も多く不在にすることが多いため、なかなか決裁が取れないことも多々あるのに、それが理由でプロジェクトに遅延があると『なぜ遅れるのか?』とめちゃくちゃ」
とは、理不尽にもほどがある。出張に関しても上層部と一般社員では雲泥の差があった。
上層部は正午のフライトなら直行、夕方のフライトならランチを取ったあと余裕を持って会社を出ていた。だが一般社員には許されず、代わりに次のルールがあった。
「始業前のフライトや出社すると間に合わないフライトでない限りは出社必須。夕方のフライトの場合は、夕方の全体朝礼(17時)以降に会社を出て間に合うフライトにしないといけないなどの決まりがあり」
それによって現地ホテルに22時着になるとしても、「ルールはルールと、総務から航空券購入の許可がおりない」という始末。22時に着いても寝るしかない。宿泊費が無駄にかかるだけだ。
「無駄としか思えない、そしてそれでなにがしたいのか理解不能なルールで社員を縛り付けていました」
問題が起これば、責任を押し付ける上層部にウンザリして退職
本来、自由には責任が伴うものだが上層部は無責任極まりなかった。
「プロジェクトで何か問題が起こっても、そのプロジェクトの責任者なのに一切責任を取らず、むしろ社長に一社員に問題の原因を全て押し付け、下のフォローやカバーはしないという体たらく」
そんな状態なので優秀な人は1年と経たずに離職した。だが上層部は、「辞めること前提で人を入れればいい」という考えで、採用に力を入れていた。
「居心地が悪く、人が定着しない会社、なぜ定着しないのかを理解しておらず、ダメだなと思いました。かく言う私も、入社後13か月で転職し、いまは楽しく仕事が出来ています」
優秀な人が次々と辞めていく会社はある。残される側にならないようにしたいものだ。
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