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自分が出したアイデアが、いつの間にか上司や同僚の手柄にされていた――。40代女性(クリエイティブ職)から、そんな理不尽な投稿が寄せられた。
女性が以前勤めていた会社では、毎年4か月ほどかかる定型業務のために、臨時の派遣社員を雇っていた。ところがある日突然、経営者がその費用に文句を言い出したという。そこで女性は、この業務を自動化できないかと考え、動き出したのだが……。(文:天音琴葉)
200万円の初期投資が理由で一度は却下されるも……
業務内容を精査し、外部のシステム開発会社10社ほどと交渉。200万円の初期投資で、「1日あたり4時間かかる業務が5分で組み上がるシステム」を考案し、「業務改善化提案書」として提出した。派遣社員の人件費や正社員の残業代を考えれば2年で元が取れる計算だったが、経営者は200万円という金額だけを見て、この提案を却下した。
「その年と翌年の短期派遣社員に支払った費用だけでも180万円ほどです」
と、女性は腑に落ちないが、経営者に拒否されては諦めるしかなかった。
ところが、提案から2年後、事態は思わぬ方向に動く。経営者が「新規アイデア」のコンテスト開催を宣言したのだ。繁忙期で新たな案を考える余裕がなかった部長は、女性にこう命じた。
「あのアイデアを別の色合いで書類作成して!」
2年前に女性が提案した、あの自動化システム案のことだ。提出すると、経営者はすっかり忘れていたのか、「それは良い!今すぐに手配して進めなさい!」と絶賛。前回は200万円を出し渋ったのに、「次年度の予算を使って良い」とも言ったという。
このアイデアは翌年、さらにグループ全体のコンテストにまで進み、見事表彰されることになった。しかし、その表彰式に女性の姿はなかった。
「表彰式に出席したのは、なんと……案を出して資料を作って外部の開発業者と交渉までした私ではなく、部長とお気に入りの新人男性の二人」
部長はまだしも、なぜ自分ではなく新人が、と女性は納得がいかなかっただろう。その理由は、部長の保身にあった。
「出す案すべて新人男性の成果にされ続け……」
部長はこう考えたようだ。正直に女性の案だと言えば、2年前と同じ案を出したと勘違いした経営者にNGを出されるだろう。そこで、新人が出したと言えば、前回の案を忘れられ、文句を言われないのでは、と考えたのだ。
この一件で、新人男性は「新進気鋭のアイデアマン」と社内で評価され、報奨金を受け取り、翌年には女性を飛び越えて昇進した。女性の理不尽な扱いは、これで終わりではなかった。
「私が出す案、出す案、すべて新人男性の成果にされ続け……」
さすがに我慢できなかったのだろう。ついに女性は発案者が自分だと訴えた。ところが、状況は変わらず、次第に社内に居づらくなった女性は、退職を決意した。悔しい思いは、会社を辞めた後も続いている。
「結局退社して数年後にもウェブサイトに『新しい企画が始まります』となっていたのを先日見ましたが、それも私が在籍中に会議で発表した案でした」
正当に評価されないどころか、特定の人間の手柄にされてしまっては、仕事ができる人ほど辞めていくだろう。長期的に見れば、それは企業にとって大きな損失に他ならない。
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