2020年以降は、すでに9社、計1550人の早期・希望退職の募集が予定されている。9社のうち、直近決算で最終赤字、減収減益はそれぞれ1社で、他の7社は業績が堅調な業界大手が占める。
食料品や消費材、小売業などの業界大手でも、少子高齢化による消費の低迷や、既存事業の見直しなど、先立つ国内市場の環境の変化に対応しようと事業と人員の構造改革を進めている。
三越伊勢丹HDでは、3月に閉店を予定している新潟三越の従業員らを対象にした希望退職支援制度に約67億円の特別損失を計上した。今後も、店舗の撤退や再編が続く小売業などで同様の動きがみられる可能性もある。
製造業では、データ解析やマーケティングなどの領域で不足する人材の確保を急ぐ。キリンホールディングスでは、2019年10月から11月にかけ、営業に携わる社員やコーポレート関連の部署の社員を対象に退職者を募った。一方で、人数は非開示であるものの、退職した社員と同等の規模の中途採用者を新たに募るという。