鉄道会社をやめてプログラマーに転職、年収半減した男性 スクールに80万円投資、紹介されたのは劣悪SES企業 | キャリコネニュース - Page 2
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鉄道会社をやめてプログラマーに転職、年収半減した男性 スクールに80万円投資、紹介されたのは劣悪SES企業

男性はキャリコネニュースの取材に「以前から仕事が単調でつまらない、夜勤が多い、長時間労働、仮眠時間は4時間を切ることが頻繁にあり、会社を辞めたいと常に考えていました」と話す。そんな折、新型コロナウイルスに伴う業績悪化が重なった。

「優秀な社員の大量退職やボーナスの大幅な減額があり、会社にぶら下がって生きることに対して不安を感じることが多くなりました」

そこで、男性は「人生を変える、フリーランスも目指せる」という広告に惹かれて、大手プログラミングスクールに通い始めた。しばらくは運転士を続けながら夜間に通学していたが、思いのほかつらく、後に鉄道会社を退職してスクールに一本化したという。

通学期間は26週で、学費は約90万円。20代後半の男性にとって、プログラマーという異業種への転職を目指した一念発起だった。

スクールではHTMLやCSSを始めとしたプログラミングの基礎を学習。だが、

「基礎の基礎しか学ぶことができないので、あれだけでは実践に活かせないと思います。自分で自主学習する方が必要になります」

と振り返る。スクールで学習できるレベルは限られており、そのまま仕事に生かせる実践力は身に付かなかったという。

自社開発に就職できず、全額返金保証を受けようとしたらSESを紹介される

男性はスクール修了後、SES企業に就職した。SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略で、クライアント企業に派遣されて、ソフトウエアやシステムの開発・保守・運用を行うサービスだ。

SES事業を手掛ける会社は未経験エンジニアの就職先として一般的になっているが、偽装請負の温床になっている側面があり、ITエンジニアの間では「闇」「やめておけ」などと言われている。

「今の会社にはスクールの紹介で就職しました。他の自社開発や受託開発も受けましたが、上手くいきませんでした。転職が無理だと感じたので全額返金保証を使おうと思ったところ、SESへ誘われた形です」

男性はかつて、プログラマーに対して「都心で綺麗で開放的なオフィスでフリードリンク片手に自由な服装で、談笑しつつプログラミングをしているイメージでした」と華やかな印象を持っていたという。ところが、蓋を開けてみると現実はまったく違った。

「転職後の感想は、部屋は暗く汚い、勤めている人のメンタルが病んでいて人間関係もぐちゃぐちゃで転職前のプログラマーのイメージとは大きくかけ離れた職場環境に驚きが隠せませんでした」

転職前に550~600万円ほどあった年収も、約300万円にまで下がった。ツイートでも「つまらないけれどミスなく運転して600万もらえる仕事を続けてればよかった。本当にしんどい」と後悔を綴っていた。

さらに、7~23時と拘束時間が長く、運転士の時にあった残業代の支給もなくなった。男性は「毎日仕事で疲弊し、娯楽や勉強する気力すらない状態になってしまいました」と現状を明かしている。

男性はさらに、

「客先ではプログラミングと言うよりはテスターのみ、その他よく分からない雑用や営業まで行かされることまでありました。俗に言うなんでも屋さんです」

と実情を明かした。一連のツイートでも、

「自社開発に入社できると思ってプログラミングスクールに入ってもほぼSESに入社するとは考えもしなかった」

「全額返金保障がついてるプログラミングスクールでも、誰でも入社出来るSESにぶちこまれて、内定してるから返金しませんって言われるだけだからな」

などと綴っており、思い描いていたプログラマー像とは大きくかけ離れていたようだ。

男性は、自身の経験から「プログラマーになるならないに関係なく、本当に信頼できる人に相談し、今の状況から逃げるための後ろ向きな転職は考えずに、前向きな転職活動をすることをお薦めしたいと思います」と強調する。その上で、

「電車運転士で転職を考えている人は、プログラミングスクールに通うのではなく、自分の求める労働環境の鉄道会社へ転職する方が楽だし年収はアップしやすいと思います。私のように後悔しない転職活動ができますように願っております」

とコメントした。

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