転職が浸透した今では、生涯ひとつの企業に勤め上げる人は減ってきている。とはいえ、せっかく入社したのだから「長く働きたい」と考える人も多いだろう。そこで注目したいのは人間関係や労働環境だ。それらに問題のある会社は、パワハラやセクハラが横行するブラック企業の可能性が高い。
キャリコネニュース読者の40代男性(技能工)は、そんなブラック企業勤務経験者の1人。男性は、
「毎日22時頃までサービス残業でした。翌日タイムカードを見た上司から『帰るのが早すぎる。仕事に対する熱意がない』と説教されました」
と振り返る。一方で「上司は定時でさっさと帰っていました」というから理不尽極まりない。今回はブラック企業経験者のリアルに迫る。(文:中島雄太)
「出社後に嘘の体温を書かれて現場に出されました」
元事務職の40代女性は「給料日に給料が支払われませんでした。有給休暇もなく、希望した日に休むことができませんでした。PTAの資料作成、子どもの送迎や役員の両親の介護など、業務外の仕事もさせられました」と告白。「飲み会の送迎もしました。しかも役員の気分により、謎の給料減額をされることもありました」と振り返った。
大手企業の孫請け会社でエンジニアをしている30代男性は「『有給休暇取得は給与査定、ボーナスに響く』と言われ、体調不良になっても休めません」と明かす。男性は、
「発熱して『コロナの疑いがある』と申し出ても、出社するように言われます。出社後に再検温、事実よりも低く体温を記帳したうえで現場に出されたことも」
と告発する。やむを得ず元請けに体調不良を報告し早退の了承を得て帰社すると、上司は「なぜ言った?次からは絶対に言うな!」と激怒。男性は「『インフルエンザにかかろうが、大怪我をしていようが気の持ちよう』といい、出社を強いてくる上司です」と辟易している。
「いじめやパワハラが当たり前の過酷な環境で、毎日がつらかった」
保険の代理店で働く40代女性は「新人の頃から意地悪な先輩たちには仕事を教えてもらえませんでした」とつらい思いを吐露する。その職場ではいじめやパワハラが当たり前で、
「契約者からの電話を回しても、内線電話を取らずに私を睨みつけてきました。挨拶をしても返してもらえませんでしたし、それどころか悪口を言われていました」
と内情を打ち明ける。「直属の上司は先輩側の話しか聞きません。なんと『新人である私が1人の先輩をいじめていた』という話になっていました。最終的には仕事のやる気もなくなってしまい、自主退職という名の解雇になりました」と語った。
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