「好きなこと」を仕事にする? マンガにアニメにゲーム、自転車に温泉ですが、何か!
Q&Aサイトの教えて!gooに、こんな相談が寄せられています。相談者のKopporanさんは、就職活動を来年に控えた学生さん。今はスーパーでバイトをしていますが、退屈で「もしこれを一生の仕事にすると考えたら挫けそう」と思ってしまいます。
一方、TSUTAYAでバイトをしている友人の話を聞くと、ゲームの仕入れや売れ行きなどが見られて、とても楽しそうに見えます。そこで相談者さんは「自分も興味のある事を仕事にすれば(就活が)はかどるんじゃないか」と考えるようになりました。
回答者「好きなことを仕事にできるのは最高」
そこで好きなことをあげてみると、「マンガ」「アニメ」「ゲーム」「自転車」「温泉」「健康維持」といった言葉が思い浮かびました。しかし、趣味や好きな事を仕事に選ぶのは「あまり良くない」という話も耳にします。
不安になったKopporanさんは、「趣味や好きな事を仕事に選ぶのって駄目なのでしょうか?」と投稿しました。あげられた趣味は、すべて消費者としての立場というところが気になりますが、実際に好きなことを仕事にしている回答者から「満足している」という声が寄せられています。
「趣味というか、好きなことを仕事にできるのは最高ですよ。大変なことも、好きなら乗り越えられます。私は建築関連の事をしていますが、大変ですが楽しいです。生きがいがあります」(inonさん)
gouzigさんは、せっかく好きなことを仕事にしようとしている人に対して「あまり良くない」と批判する人の特徴を、このように指摘します。
「多分、そういうことを云う人は、好きなことをやりたくてもできず、生きていくためにしょうがなく働いているのです。そして、サラリーマンをはじめとして多くの人が、好きなことを仕事にできないのが現状なのです」
そういう人たちは、好きなことより「豊かな生活をしたい」欲求を優先し、給料の高い会社に勤めているので、「好きなことを仕事にする」考えには抵抗感があるという指摘には、なるほどとうなずけます。
好きな道に進んだものの「数年で辞めた」という人も
その一方で、「趣味と実際の仕事には大きな隔たりがある」「好きという気持ちだけでは仕事は務まらない」という回答も複数届いています。conobaraisuさんの知人は、好きなイラストの道に進んだものの、お金が厳しくなり「数年で辞めました」とのこと。
「誰だって楽しみながら稼ぎたい、好きなことを仕事にしたいって思ってますよ。でも現実はそうもいかないんです。簡単じゃないのです。だから多くの人は、趣味は趣味として楽しんで、仕事は仕事と分けてたりするんです」
アルバイトは別として、何かを「仕事」にするためには、他人から何らかの価値として認められなければなりません。いくら温泉に入るのが好きな人でも、温泉に入るだけでお金がもらえて生活できる人は、めったにいません。
自転車が好きでも、自転車の開発や製造、販売のどこかに適性がなければ、それに関わって働くことはできません。いくら自分が好きでも、他人から認められないことは「仕事」にできないのが現実。「好き」と「仕事」の分かれ目になるのでしょう。
それなりの「生存戦略」が必要になりそう
好きなことを仕事にした途端、消費者として見えていなかった部分にも仕事として関わらなければならなくなる、というデメリットも。本が好きで本屋で働き始めたら、実は肉体労働で本を読む時間がなくなってしまった、という話もよく聞きます。
「好きだから始めた仕事なのに、ストレスばかりという事にもなるのです。そして好きだった趣味が嫌いになってしまったら不幸ですよね」(youcanchanさん)
自分の好きなことは脇に置いて、得意なことや他人が認めてくれることで稼ぎ、余暇で趣味を楽しむ大人も多いです。それでも好きなことに関わって生きていきたければ、それなりの「生存戦略」が必要なようです。(ライター:Makiko.N)
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