女性は「社会人としても営業職としてもスキルも知識もなかったのに1週間もない研修後に1人で飛び込み営業開始」したという。
「分からないことは先輩に聞けと言われていましたが、皆帰社が遅く、喫煙所で報告等するのは21時を回りました。その後は説教なのか武勇伝なのかよく分からない話が1時間以上あり、翌日は7時から社長の武勇伝を聞くために出社。正直論理的でない話はメモをとる内容もありませんでした」
女性は内心呆れながらも、男性中心の部署になじもうと苦心したようだ。「営業全体でも女性は1人だったので、どんな話にもノリ良く行こうと」していたが、やがて耐え切れなくなった。
「相手は冗談のつもりのセクハラ発言が積もりに積もって受け止めきれなくなり、正直にやめてほしいと伝えると、『お前は話のわかるやつだと思ったのに』との返答」
それ以降は、先輩からの当たりが強くなったという。
「『これまで自分が他社で育ててきた後輩は皆立派になったのに、お前だけはダメだ。誰が悪いんだ?』→『私が悪いんです……』と詰められるようになり、徐々に病んで何の為に生きているのか分からなくなりました」
「辞めるまでは全部無能な自分が悪いんだと思っていました」
「結局、失業保険の出る6か月までは我慢して退職。自分は社会不適合者だと思い込んで次の就職まで1年くらいかかりました」
と明かす女性。苦悩の中で退職や再就職に励んだようだが、冷静に考えれば「部署は違えど新卒同期は全員で5人いたのに、半年で辞めた私は退職3人目だった」という。
「ちょっと考えればおかしな話なんですけどね。一族経営の宗教染みたおかしな会社だったので、辞めるまでは全部無能な自分が悪いんだと思っていました」
後日談として、「私の辞める原因となった先輩は優秀な営業成績でその会社を牽引する存在でしたが、その後クビになったと聞きました。社長の息子に嫌われたからだとか何とかで、理不尽な理由でした」と明かした。
退職については「満足です」として、
「新卒だからこそ教えてもらえた事をふいにしてしまったのは後悔がありますが、あのままいたら精神をやられていた可能性があります。 自分が自分でなくなる感覚はあの会社で初めて味わいましたが、そんなことまで(耐えて)働かなくてもいいと、今は伸び伸び生きています」
と近況を報告した。女性は現在、正社員の営業職として年収800万円で働いている。