働く人に厳しいノルマを課し、数字上の利益だけを追求しようとするブラック企業は少なくない。キャリコネニュースで実施中の「ブラック企業」アンケートには、過酷なノルマに苦しんだ経験者からのエピソードが多数寄せられている。(文:林加奈)
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「数値が人格」「ノルマ未達の社員は罵声を浴びせられ、追い詰められる」
ノルマ達成を理由に働く人たちを追い詰めるブラック企業のやり方は、「怒鳴る」「罵声を浴びせる」など概ね共通しているようだ。
「数値が人格(という価値観)。上場企業とは思えない会社で、ノルマが未達社員は罵声を浴びせられ追い詰められます」(30代男性/営業職)
「怒鳴られる。全員の前でノルマ未達の反省をさせられた」(50代男性/販売・サービス職)
という声のほか、現在はIT系技術職だという30代男性は、「某商社に働いていたころ、管理部門に入ったが入社して2か月間は営業部門で研修させられた。いくつか選べるが、一番厳しいところを選んでしまった」と後悔を綴る。
「営業が始まってから毎日の朝会は社訓を読んで、一人ずつ決意を言って拍手ではなくキャビネットを叩く。毎日アドレス帳を見て中小企業に電話しまくって、売るためにアポを取らないといけなかった。1時間ごとに集計時間となり、上司に報告をした。アポが取れなければ怒鳴り続けられることも多かった。さらに月末とか決算時期になると、数字が低かったら上司が怒鳴りばっかり」
男性によると「どうも怒鳴られる社員が上司になったら、また下へ怒鳴るという悪循環。聞いた話では、昔は下の社員へモニターが飛んだことがある」という。ブラック企業では、社員の命より営業成績の方が大切ということだろうか。
また、かつて大手エステグループの子会社で働いていたという40代女性(販売・サービス職)からは、
「給料手取りは最低限で20万を切る」
「売り上げノルマがきつく、歩合0.02と低いのでモチベーションは経年とともに低下していくシステムのため、離職が後を絶たない」
といった回答も。0.02といえば、仮に10万円の成約ができたとしてたった2000円の歩合ということになる。きついノルマに対してこれでは、やる気が出ずに辞めていくのは無理もない。厳しすぎるノルマは、長い目で見れば企業にとってマイナス面も大きいのではないだろうか。