特別擁護老人ホームで働いている東京都の40代男性は、給与面に不満を抱いている。特に腹立たしい様子なのは、募集要項に記載された給与と実際の額に開きがある点だ。
「特別養護老人ホームは、給料の良い金額が募集で記載されていることが多いけど、実際には基本給激安なのでボーナスも期待してた額はもらえず、『30万円の総支給』はあり得ない」
「どうすれば(記載額に)いくのかと言えば、看護師資格と介護士資格が両方あって、夜勤(14時間勤務)を日勤と半々やってはじめて近い金額が貰える」
「特別養護老人ホーム」は自治体などが運営する公的な介護施設のひとつだ。もちろん施設や本人の状況によるだろうが、求人票に「総支給30万円」とあっても、資格を保有し夜勤もやらねば、手にする額は低いままらしい。
「しかも研修はサービス残業で、忘年会や施設の行事で行う練習もサービス残業の上、参加しないとボーナス査定に響く。資格試験も自費。経営的に国や市町村の補助金で賄える額しか払わず、介護士資格があっても手取り15~7万円にしかならない」
高齢者をケアし命を預かるという責任重大な業務をしながら、サービス残業や自腹での資格試験をこなさねばならない日々。求人票の給与額と現実の手取り額の差を見れば、働くモチベーションが下がってしまうだろう。