東京都の40代女性(事務・管理/正社員/年収800万円)は、学生時代をアメリカで過ごした。これまで外資系企業や多国籍企業で勤務してきたが、日本のある企業で働いた際、社長のワンマンぶりやそれに従う環境に驚いたという。
「社長がワンマンだった。また一度も外の企業で働いたことがない社長だったので、自分の考えることは全て正しいと思っているようだった。周りにはイエスマンしかいない。(社長が)『カラスが白い』と言えば、『白』と言わなければいけない環境だった」
女性は8か月で退職を決意。「10代から20代までアメリカで過ごした私には、自分の意見が言えず辛かった」と当時の気持ちを明かす。
「辞める時も嘘をついて辞めなければいけなかった。じゃないと引き留められる可能性があったので」
「商品管理データさえ『はいはい』と聞いていれば社員になれる」
某チェーン店に勤めていた埼玉県の50代女性(医療/契約社員/年収300万円)も、「社長がワンマン」な会社の内情をこう明かす。
「パートから社員になるには最低一年間必要。とにかくイエスマンでなければならない。『店を良くしよう』なんて事は考えも行動もしなくていい。商品管理データさえ『はいはい』と聞いていれば社員になれるから困ったもの」
イエスマンであることを求められる会社。さらに「販売接客には到底向いていない暗い人間ばかりが社員で覇気がない。給料は店長でもずーっとパートだから、時給も県の最低賃金に毛が生えたぐらい」と振り返る。
「社員になれたラッキーな人間は、社員に昇格した途端やりたい放題。向上心がある人間は報われない会社」
と女性は吐き捨てた。3年で退職し、現在の職場に転職した女性は「今は給料も満足しているし、社員も自ら動いているので、『協力しよう、頑張ろう』と思える」と退職に後悔はないようだ。