商業系の専門学校を卒業している男性は、当初「学歴なんて関係ない。自分の実力さえあればやっていける」と思っていたという。
「今まで25年以上の社会人経験の中で、大卒だから有能か、高卒だから無能かというのはイコールではありませんでした。大卒でも『本当に大学行ったのか?』と思うほど漢字も書けず読めず、言動も幼稚な人を沢山見てきました。
商業系大学卒業の人が簿記3級程度の知識があやふやで、帳簿の仕訳や勘定科目すら理解してない状況に直面したことありました。逆に高卒でも、『よく知ってるな』と思う知識や技能を持った人、しっかりとしたリーダーシップを取れる人を沢山見てきました」
学歴が関係ない状況を実際に経験してきた男性だが、「ただ、私も今まで専門学校卒業という学歴で、馬鹿にされたことは数知れず」と明かす。
「職場で『専門学校なんて、書類出せば誰でも行ける』『所詮専門学校卒』とか言われたことあります」
「3年次編入できる通信教育の大学に近々通おうと思っています」
男性は「実際に実力や経験で乗りきった場面は数多かった」というが、「それでも『専門学校卒』というレッテルは常につきまとっています」として、
「例えば転職活動。自分がやりたい仕事を見つけても『採用選考は大卒以上』となると、そこで門前払いになります。今までの経験や実績だけでは通りません」
と悔しい思いをを振り返る。その結果、現在「(学歴は)ないよりあった方がいい」と考えているという。
実は専門学校時代に並行して通信教育で短期大学を卒業しているという男性、「最近生活にゆとりも出てきたので、3年次編入できる通信教育の大学に近々通おうと思っています」と、40代後半にして学び続ける姿勢を見せ、最期に、こう締めくくっていた。
「ひとつ言えるのは、中卒だろうが大卒だろうか、その後の社会人人生の中で『いかにひとつでも多くのことを学んだか』が大切だと思います。『大学出たからもう勉強しなくてもいい』ではなく、その後も学ぶ姿勢や取り組みは必要だと思っています」