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そもそも、すべての仕事を終わらせる必要はありません あえてそう考える理由

仕事ができる人とそうでない人は「時間」の考え方が大きく異なります。優秀な人は、時間は有限で貴重な資源と捉える傾向にありますが、そうでない人はその感覚がほとんどありません。

できない人は、とりあえず面倒な仕事は後回しにし、重要度の低い仕事や大して成果の出ない仕事にいつまでも時間をかけてしまいます。しかし当たり前ですが、大事なのは限られた時間という資源でどうやって成果を出すかです。重要度が高い仕事に的を絞って取り組む必要があります。

仕事を割り振る側がこのことを理解していればいいですが、残念ならそこまで考えてない管理職もいます。メンバーの時間は有限だと理解し、必要な仕事を検討して割り振らないといけないのに、思いついたものをとりあえず部下に投げてしまいます。

大して吟味もせずに依頼するので、ひどいときにはマネージャー自身が頼んだことを忘れてしまっていることすらあります。このような仕事に真剣に取り組むのは時間の浪費以外の何物でもありません。そのような仕事は後回しにし、頃合いを見計らったところで、再度本当に必要かどうかの伺いを立てるのが得策です。

本当に重要な仕事の質を下げてしまう

すべてのタスクをやろうとすることは、本当に必要で重要なタスクの質を下げてしまうことにもつながります。

・他のタスクをやることで、物理的にその重要なタスクに割く時間が減る。
・他のタスクにも意識がいくことで「集中」できない状態になる。

という二重の意味で、その仕事の影響が出てしまうのです。つまり、あらかじめ仕事の取捨選択をしておくことで、本当に重要な仕事に的を絞ってその時間を十分に確保するとともに、その仕事に集中できるという状態を作りだすことができます。

ただ、本当に重要な仕事を見極める自信がない、という人もいるかも知れません。たしかに、全体が見えるポジションにいる人ならともかく、メンバークラスが勝手に優先度を見積もるのは危険な場合があります。そういう人は、現状抱えている仕事を洗い出した上でそれとなく上司に確認してみましょう。

順調にタスクを減らしても次のタスクがやってくる

最後に「そもそも論」になりますが、すべてのタスクを終わらせることは不可能です。仮にもし順調に仕事をこなして手持ちのタスクを減らしていっても、そういう状態になったら他の人より「余力がある」と見られて、新たなタスクが割り当てられてしまうからです。

なかには、そのようなエンドレスな状況ですっかり余裕をなくしてしまい、プライベートな時間を犠牲にして残業して、いつも疲れた表情をしている……そんな人をこれまで何人か見てきました。

本人たちからすれば、自分に与えれた仕事だから確実に終わらせるべきだと考えているのかもしれませんが、「確実に終わらせる」から「確実に成果を出す」というように考え方をシフトした方が、余裕も出ますし、成果につながっていくことでしょう。

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【筆者プロフィール】田中 聡

プログラマー、研修講師 (プログラミング、統計学、データ解析)。2001年に塾講師からエンジニアに転職後、中小企業の下請プログラマーから一部上場企業のプロジェクトリーダーまでを経験。2015年にフリーランスとして独立し、現在は栃木を拠点に活動している。趣味はトライアスロン。著書に『ITエンジニア残業ゼロの働き方 現場で本当に使えた仕事効率化の法則95』(技術評論社)がある。

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