女性は中堅の医療機関で看護助手をしていたが、「資格もなく手取りは20万円いけばいい方」だったため、Wワークをすることに。医療機関での経験をいかして、本職とは別に「デイサービスの夜勤専従」も始めた。職場では施設の利用者に手作りの食事を提供していたという。
当時、職場には50代後半の女性の管理者がいた。その管理者は「几帳面な方」でコミュケーションもとりやすく、女性も含めスタッフたちと良好な関係を築いていた。利用者への食事提供の際も食材や物品に不足なく、「イレギュラー時の対応も(管理者から)指導頂けていました」と振り返る。
しかしそんな職場が一変してしまう。仕事のできる管理者は、働き振りを買われ他の事業所に移転。その後、フルタイム勤務する50代前半の女性が管理者の後任となった。
「その方が曲者で、やりたい放題。前管理者とは正反対のズボラ。書類はめちゃくちゃ。物の定位置が自分ルール。夜間どうしても無くてはならない書類が無く、朝出勤時に問うと『ここにあるじゃん』と。どうしてこんな所にあるのかと思う所から持ってきたりします」
また、職場では手作りで食事を提供するにもかかわらず、「食材も空っぽで、朝食作りに困りました」と明かす。
「(食事には)主食、副菜、卵焼き、煮物が必須で、利用者一人ならなんとかなるレベルで、5~6人の時は丼物にして提供した事しばしば」
「食材をどうにかして欲しい」と訴える女性に、その管理者は「キーキー金切り声」で怒鳴り散らしたという。
深夜に報告電話すると「なぜあんな時間に連絡してくる」
管理者が変わって以降、長く働くスタッフが見切りをつけて辞め始めた。それでも続けていた女性だが、辞めるきっかけとなったのは、管理者の「理不尽な言動」と「就業規則に反する自分ルールの横行が続いたため」だ。
ある夜、女性が台所で朝食の仕込みをしていたところ、1人の利用者が起き出し転倒してしまったという。管理者への報告は義務だったが、時刻は深夜0時30分。
「(電話の)子機を持って躊躇しました。(管理者が)すぐキレるからです。『こんな時間に』『朝言えばいいのに』『連絡よこしても何も対応出来ない』とか……。しかし朝報告したところで、『なぜその時連絡してこなかったか』と絶対言われる自信だけはあったので、意を決し架電しました。案の定、不機嫌そうな対応でした」
女性は朝まで1時間ごとに利用者の身体観察とバイタルを測定し、管理者の出勤を待った。しかし管理者は出勤後も利用者の様子も見ることなく、案の定女性に怒鳴ってきたという。
「『なぜあんな時間に連絡してくる。私はこれから一日中働くのに寝てない』とか、自分の心配ばかりでした。『そもそも台所にいるのが悪い』と朝からキーキー声で、近所にも響き渡り、それこそ夜勤明けにはたまりません。この事が1番のきっかけとなり、辞める事にしました」