オンライン就活で「優秀なのに決め手に欠ける」学生が増えている理由を考える | キャリコネニュース
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オンライン就活で「優秀なのに決め手に欠ける」学生が増えている理由を考える

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2024年卒採用に向けて準備する企業が増えてきました。私も23卒の振り返りを企業としているのですが、5~10人ほどの少数精鋭しか採らない企業で共通する内容がありました。

「能力的には魅力的な人は多かったが、決め手に欠ける人が多かった。」
「優秀な学生は多かったが、その人の人生観と、自社がリンクするところまでいく人が少なかった」
「ビジネス的には優秀でも、なぜウチなのか?がちゃんと言語化出来ている人が少なかった」

どの企業も、決してエントリーが少ないわけではなく、内定人数に対して数百倍~数千倍のエントリーがあったところもありました。優秀な学生も多かったにも関わらず、「内定出しに苦戦をした」というのです。なぜこうしたことが起きるのでしょうか。(文:キャリアアドバイザー 坂元 俊介)

手軽にエントリーできるようになったけど……

これには、いくつかの理由が重なったように思います。

(1)インターン参加の機会が増え、ビジネス能力の向上につながった

コロナ禍でオンラインでのインターンが主流になりました。出社不要で物理的な拘束がなくなることで、インターン参加のハードルが大きく下がりました。そのため、多くの学生が成長の機会に恵まれ、ビジネスにおける能力を向上させることが出来ました。

能力的な部分を見ると、1~2次面接段階では優秀、と判断せざるを得ない学生が増えました。しかし、優秀であるがゆえに自分は何のために働くのかといった内省をしなくても突破できるので、最終面接という、本人と会社のマッチ度を能力だけでなく価値観や人生観で測る場面で不合格となるケースが多くなってしまいました。

(2)オンライン就活でエントリーが楽に出来るようになった

コロナ前までの就活では移動が当たり前でした。リアル説明会に参加してエントリーし、オフィスに行って数回面接して、となると無制限にエントリーするわけにもいきません。

しかし、オンライン就活が主流になった現在。説明会から面接までほぼ全てネットで完結するので、家や大学にいながら進めることが出来るようになりました。

その結果、企業にエントリーすることのハードルが下がり、どの企業を受けるか、ということを深く考えずとも、興味が少しでもある企業を手あたり次第に受けることが可能になりました。

就活において都市と地方の格差が減少したという良い面もある一方、1社にかける熱量は必然的に低下し、しっかりと自己内省をした上で企業へエントリーする学生が少なくなったのも事実です。

受かっても落ちても「次」を受けやすいので、自分や企業のことを深く考えることなく選考が進めることになり、最終内定が出るかどうかの段階で、企業からすると、決め手にかける状態になってしまったのだと考えます。

エントリーからの内定倍率が、数百~数千倍もあるような少数精鋭採用の企業においては、能力的な側面だけでなく、

・自分がやりたいことと仕事内容のリンク
・自分が大切にしている価値観と企業風土とのリンク
・自分が成し遂げたい事、なりたい姿と企業のMission・Visionとのリンク

といった、深い自己理解からくる、企業や仕事とのリンクが必要になってきます。

エントリーが手軽になった今だからこそ、1社1社、本当に自分が受けるべき企業なのかどうかをしっかり考えた上でエントリーをしていくことが内定を得る近道になると思います。

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著者近影

著者近影

株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアアドバイザー・採用人事コンサルタント

同志社大学卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルート)入社。営業として3つのメディアの立ち上げに携わり、その後リーダーや大手担当を経験。現在は、株式会社STORY CAREERの代表取締役を務め、毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。また、「事業によって人のポテンシャルを開花させる企業」未知株式会社の取締役副社長も務める。

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