ブラック企業で事務員として働く女性から、悲痛な声が寄せられた。栃木県の40代女性(年収250万円)は、一部上場企業の営業所で事務員として働いている。田舎のため近くに銀行や郵便局がない。車での移動が必須だ。ところが「事務員が業務でのマイカー使用が禁止」されているために、何かと不便を強いられているようだ。(文:林加奈)
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「タクシーは会社の経費なので上司がいい顔をしない。自転車なんてそもそもない」
なお会社の規定では、「(1)都合をつけて社用車を使う (2)行きは社用車、帰りはタクシー (3)自転車利用 (4)公共交通機関の利用」となっている。しかし、「社用車を利用したくても、どの営業さんも断ってくる」のだそうだ。
「乗せていってほしいと伝えても断られます。タクシーは会社の経費なので上司がいい顔をしない。自転車なんてそもそもないし、銀行や郵便局まで片道何キロあると思っているのか、会社の考えが理解できません。田舎なのでバスなどの公共交通機関が近くにあるわけでもない」
そのため、暗黙の了解で事務員はマイカーを使用せざるを得ない状況だ。しかし「これは規定違反なので何かあっても誰も守ってくれないし、罰を受けるのは事務員です」と、リスクを背負って仕事をしているという。
さらに女性は「ガソリン代も出ないのにマイカーを利用しなければならない理不尽な状況」を打開すべく、営業所員に対し「郵便物のポスト投函くらいは自分たちでしてほしい」とお願いしたという。
「各自の机に郵便物を置いておくと、すべて回収され私の机に『投函してください』と書かれた付箋が貼って戻されていました。自分たちの書類なのにFAXも送ることすらできず『○○にFAXしてください』と付箋が貼られて机に置かれている毎日です。全く会社にも仕事にも関係ないゴミのFAXが朝来たら置かれていることも日常茶飯事です。事務員を人とは思っていない、男尊女卑の会社です」
女性の不満はまだ続く。「自分たちの仕事すらまともにこなせない彼らのフォローをしても全く評価されず、ボーナスも1か月分出ません」と、待遇にも不満を持つ。そして
「会社に行きたくなくて体調が悪くなっているので、心療内科に通おうかとも悩んでいます。ほかの事務員さんも睡眠導入剤を飲まなければ眠れないほど追い詰められていますが、会社が守るのは事務員ではなく営業所員なので絶望しています」
と、つらい心境を綴っていた。